光文社新書
バール、コーヒー、イタリア人―グローバル化もなんのその

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334033965
  • NDC分類 673.9
  • Cコード C0226

出版社内容情報

なぜイタリアには、スタバもコンビニもシャッター通りもないのか? 画一的な味、マニュアル、効率化などどこふく風。量より質を貫く豊かな生き方とは?

内容説明

バールとは何か?単にお酒を提供するカウンター形式の店でもないし、喫茶店とも少し違う。コーヒー(エスプレッソ)に軽食でも大丈夫なら、お酒におつまみでもかまわない。気軽に入れる立食中心の店で、時にケーキ屋やジェラート屋、タバコ屋、トトカルチョ屋、コンビニにも化ける。そんなバールが、人口五八〇〇万の国に、個人経営の店を中心に一五万五六〇九軒も存在する(二〇〇六年)。そして、イタリア人の九八パーセントがバールを利用し、外食費の三分の一をも投じている。イタリアの象徴、そして、スタバ化、マクドナルド化に抗う最後の砦としてのバールの魅力を、書き尽くす。

目次

第1章 イタリアのバールとは?
第2章 バールをめぐる大疑問
第3章 わがままな注文が、ファンタジーを育てる
第4章 一杯飲み屋としてのバール
第5章 みんな違って、みんないい、地方色の豊かさ
第6章 イタリア人がコーヒーを手にするまで
第7章 コーヒーをめぐるおもしろ名言集
第8章 コーヒーの経済学
第9章 イタリアのバールに学ぶ、グローバル時代の航海術

著者等紹介

島村菜津[シマムラナツ]
1963年福岡県生まれ。東京芸術大学芸術学科卒業。十数年にわたって取材したイタリアの食に関する『スローフードな人生!』(新潮文庫)は、日本におけるスローフード運動の先駆けとなった。著書に『エクソシストとの対話』(小学館、21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

321
バールとコーヒーとをキー・コードに覗いてみた現代イタリア社会・文化論。コーヒーを全く生産しないコーヒー大国イタリアだが、彼らはエスプレッソ・マシンを開発し、独自で多様な焙煎文化を持っている。エンツェンスベルガーを引用した後に、著者は「詩人はそこに、日常のささいなことを最大限に楽しもうとする深い人生哲学を見る」と語るが、およそイタリアほど日常を楽しむ文化を持つ国はないだろう。そして、それを可能にするのが、街角の随所にあるバールだ。そこでは、一見単純なマシンから生み出される実に多彩なコーヒーと人生がある。2015/11/18

キジネコ

33
マニュアルなんて糞食らえ!なんで他所と同じじゃないとイケナイノさ、人には好奇心があり、想像力があり、出会いには組み合わせ分の多様さがある。人間関係の臨機応変の楽しみを捨ててまで追いかけないとイケナイ利益って、何なのさ!って彼の国の人たちは考える様です。経済の巨人達が世界を席巻し何処でも同じ質のサービスを提供できる様にするために精査するマニュアルは何時の間にか人間不在の冷淡なシステムに変り、珈琲が世界通貨として富の偏執を生み、バールが地域と街の顔・入り口として住民や旅人の心を温め店主達は唯一の・・続きます。2015/12/10

kawa

25
イタリア国内に15万件以上(2006年)あるバールに関する蘊蓄本。カフェ・ソスペーゾというメニュー、ゆとりのある人が、一杯のエスプレッソで、二人分の代金を払っておき、懐貧しき人が「カフェ・ソスペーゾある?」と尋ね、主人がこっくり頷けば、その人はただでエスプレッソを飲めるという仕組み。こういう間合いというか余裕が粋ですね。本場のエスプレッソ味わいたい。2017/08/11

ソフィア

15
barの話題だけで、1冊の本になるなんて。イタリアではbar巡りをしている気分を味わえる新書でした。美しい風景を眺めながらコーヒーを楽しめるような贅沢な時間を過ごしたいと、読んでいてわくわくしてきます。コーヒーの負の側面でもある植民地支配に関して触れている点も良かったです。2023/03/08

スプリント

15
イタリアのバールで味わえるコーヒーとお酒の話です。スターバックスがイタリアにはないというのはちょっと驚きでした。街中への進出は難しそうですが空港とかにも今もないのでしょうか。エスプレッソを初めて頼んだときは量の少なさに愕然とした記憶が・・・2015/02/01

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