内容説明
「非対称情報下の市場経済」の研究によりノーベル経済学賞を受賞し、現在も精力的に世界政治経済システムに警鐘を鳴らし続けているJ・E・スティグリッツ。早稲田大学で多くの聴衆を魅了した、彼の歯に衣着せぬ情熱的な講義を収録すると共に、その裏側にある理論的背景を丁寧に解説する。グローバリゼーションが人々の反感を呼び、不平等が生じ続けているのはなぜか。IMFが推奨する自由化政策の矛盾と、アメリカ型資本主義の問題点を明らかにし、相互依存が深まる世界における国際機関の改革を訴える。―新しい政治経済システムを構築するための貴重な論考である。
目次
第1部 スティグリッツ講義録(グローバリゼーションの功罪;国際金融機関の役割;IMFはその使命を果たしてきたか ほか)
第2部 スティグリッツ講義解説(グローバリゼーションの功罪について;国際金融機関の役割について;IMFの失敗と経済危機の原因について ほか)
第3部 スティグリッツの経済学とグローバリゼーション(新古典派経済学;非対称情報の経済学;グローバリゼーション下の政府の役割 ほか)
著者等紹介
薮下史郎[ヤブシタシロウ]
1943年兵庫県生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業、同大学院経済学研究科に進学。その後米国イェール大学大学院に留学。トービン、スティグリッツ両教授に師事。東京都立大学助教授、横浜国立大学教授を経て、現在早稲田大学政治経済学部教授、同学部長
荒木一法[アラキカズノリ]
1964年徳島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ケンブリッジ大学大学院理論経済学・計量経済学専攻修士課程、ならびにロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ経済学専攻博士課程に留学。現在は、早稲田大学政治経済学部助教授
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