内容説明
スペイン、バルセロナの近郊にいま世界でもっとも注目されているレストラン「エル・ブリ」はある。著者がフレンチ遍歴の末、たどりついたテーブルで出会ったのは、まさに「想像もつかない味」であった。名シェフとの邂逅、そして「エル・ブリ」へ。「至極の二〇皿」を縦横に語り、シェフ、フェラン・アドリアに聞く。その発想は、食を超えた面白さに満ちていた。著者、二〇年ぶりの書き下ろし。
目次
第1章 「エル・ブリ」への道(わが三〇〇〇回の練習試合;それは、ヌーヴェル・キュイジーヌからはじまった ほか)
第2章 「エル・ブリ」に出逢う(想像もつかない味;奇想天外・頓智頓才 ほか)
第3章 世界最先端、至極の二〇皿(パン・コン・トマテ(’99)
グリンピースのスープ・ミント風味(’99) ほか)
第4章 フェラン・アドリアに聞く(エル・ブリ;料理人フェラン・アドリア ほか)
著者等紹介
山本益博[ヤマモトマスヒロ]
1948年東京浅草生まれ。早稲田大学卒業。料理評論家。’82年に出版した『東京・味のグランプリ200』(講談社)より食に関する著述、講演、TV・ラジオ出演を始める。’95年には、日本中より厳選したフランス料理店ガイド『ガストン』(~’97年版)を出版。’96年よりso‐netにて「マスヒロのてれすこ」を開始。’01年、フランス政府より農事功労勲章シュヴァリエを授与される
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感想・レビュー
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さっちも
14
前衛的料理というのはね、つねに人を挑発していかなくてはならないんですよ。挑発のための挑発ではなくて、知的なメンタルな挑発ね。 2022/09/04
霧
5
パリのベルナール・パコォとジョエル・ロブション、ミヨネーのアラン・シャベル、スイスはクリシエのフレディ・ジラルデ。そしてフェラン・アドリアら4人の料理人。ヌーヴェル・キャイジーヌの料理革命の様子が少しはわかったか。。2002年の本だし古いことには変わりない。2016/11/13
Humbaba
4
料理というのは,正解のないものである.ある手法が見つけられて,長く使われるようになればそれは一つの形となる.その“形”は,多くの人間が試行錯誤することによって編み出された.バルセロナの片隅で今の料理にはない形を産み出そうとしている料理人に焦点を当てた作品.2010/12/15
ふらぬーる
4
料理を言葉のみで伝える行為の限界に挑戦している。しかし、よりにもよって、この店の料理を写真なしというのは無謀に近い。2009/08/31
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
3
名だたるシェフと著者との間で繰り広げられる知的創造的格闘技を、活字だけで観戦する愉楽の200頁。むしろエル・ブリを知る前の、4人のシェフとの駆け引きが読ませる。私は山本益博のことを何も知らなかったんだな。2012/12/03