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内容説明
宮城県農業高等学校、通称「みやのう」では、生徒たちが三十四頭の牛を大切に育てながら、牛のコンテスト「共進会」を目指してがんばっていました。ところが、二〇一一年三月十一日、東日本大震災がおこり、大津波が「みやのう」におそいかかります。生徒たちだけでなく、牛の命も守ろうと奮闘した先生たち。その手によって助けられた命は、やがて被災した人たちに大きなはげましを贈ったのです―。
目次
第1章 農業高校「みやのう」
第2章 みやのうのDNA
第3章 三・一一
第4章 先生、牛が生きている!
第5章 新たな一歩
第6章 奇跡
第7章 新しい命
第8章 旅立ち
エピローグ 新たな奇跡
著者等紹介
堀米薫[ホリゴメカオル]
福島県生まれ。岩手大学大学院農学研究科修了。宮城県角田市で専業農家(水稲・山林・和牛肥育)の主婦をつとめるかたわら、農業や自然をテーマに児童文学作品やエッセイを書き続けている。日本児童文芸家協会会員。「季節風」「青おに童話の会」同人。『チョコレートと青い空』(そうえん社)で第41回日本児童文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yamazon2030
66
2018(23) 宮城県農業高校の奇跡の牛の物語。 生徒たちは牛を育てながら、牛のコンテストを目指して頑張る中に東日本大震災が起こる! 牛を命がけで守る先生。津波に流されながらも生き残った牛たち。そしてコンテストに出場して・・・ 農業高校に迫る津波の写真を見て、改めて大震災の凄まじさにハッとした。 「家畜はどんなにかわいくても、肉になる日が来る。しかし、牛は食べられることで命になる。そして、同じ命になって一緒に生きていく」に胸を打たれる。 「命のバトンを手渡すために!」との著者の言葉に感銘を受けた!2018/05/16
も
27
一緒に震災を乗り越えた宮城農業高校の生徒と牛たちのお話。津波にのまれながらも生き残った牛と牛のコンテスト「共進会」出場を目指します。生徒と牛が奮闘する姿もとても素晴らしかったのですが、鶏の解体実習の様子がいちばん印象に残りました。「どんなにかわいいと思っても家畜はペットではない」と先生が生徒たちに教え、そに言葉を実習を通じて理解する。家畜の命が私たちを生かしてくれているという『命のバトン』を実感しました。2015/03/16
ベル@bell-zou
26
宮城県農業高等学校「みやのう」。育ててきた牛と共に試練を乗り越えた生徒たちと先生の物語。津波で校舎も牛舎も使えなくなる。近隣の農業高校に分かれての通学。せっかく生き残った牛たちの世話もままならず、牧草は放射能に汚染され与えられない…。震災も津波も起こらなければ良かったのに違いないけれど、その後悔や悲しみ辛さを糧にして成長した生徒たち。津波で死んでしまった牛たちの命もそうして「いただいた」のだと思った。【東日本大震災・あの日を忘れない】https://bookmeter.com/events/5074↓↓↓2018/03/07
てんちゃん
24
東日本大震災の津波を生き残った牛と宮城の農業高校の生徒たちの実話。震災で失われた多くの命と親から子へと受け継がれていく牛の命。命をいただく畜産の重さ。たくさんの命を語った児童書。2013年小学生中学年向け児童書。2019/03/03
ヒラP@ehon.gohon
15
東日本大震災が次第に過去のものとして、記憶から薄らいでいくなかで、その時何があったかを忘れてはいけないでしょう。 この本は、宮城県農業高等学校の生徒が、体験した津波の恐ろしさと、飼育していた牛たちの命の記録を、高校生の目でとらえたものです。 生々しい津波の中で無事だった命は、必死に守ろうとしたものでした。 津波の後の、生徒たちの姿も眩しく感じました。2019/08/24