内容説明
闇を愛する皆様。ようこそ。おいでくださいました。此処は、知る人ぞ知る伝説のホテル。超一流のサーヴィスを受けるに相応しい読者の皆様方を、かねてより、お招きいたしたく、御案内状をしたためた次第です。はい。「異形コレクション」九回目のおもてなしは、この「グランドホテル」のヴァレンタイン・フランから。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
44
再読旅の途中に立ち寄った木造五階建て、瀟洒な洋館。遠くも近くもない高原リゾートに佇むホテルの名は語られない。そんなグランドホテルの2月14日に宿泊すると、願いが叶うとか叶わないとか・・・。このホテルに迷い混んだ、或いは招かれた23人の物語。まぁ殆どは幸せな結末は迎えられませんでしたが。芦辺拓さん『探偵と怪人のいるホテル』、五代ゆうさん『To・o・ru』、恩田陸さん『深夜の食欲』、津原泰水さん『水牛群』なんかが好み。しかしながらこの巻では、田中啓文さんの描く(エグい)フレンチに舌どころか脳随まで痺れました!2020/02/09
kasim
31
ヴァレンタインの夜に泊まると何かが起きると言われるクラシックホテルを舞台とした書下ろしアンソロジー。姉妹編で後発の夏版は海辺だが、こちらは高原にある。姉妹編同様、すごく怖いというよりウェルメイドな物語の連続。京極夏彦や津原泰水はさすがの面白さ。他は映画版を思わせる広がりを持つ森真沙子や売れない役者が秘密の螺旋階段に迷い込む北野勇作が秀逸に感じた。2022/02/10
あここ
11
小刻みに読みすぎて前半を覚えてない。ただのホテル話じゃなくて「バレンタインデーに何かが起こるグランドホテル」設定、場所が決まってた。全部同じホテル。ってゆうのをちゃんと踏まえて読み返したらもっと楽しめそうや。願いが叶う?幸せになる?全然違いますけど(笑)怪しい怖い嫌なことばっかり起こってますけど。昨日読んだからか特別料理の話が脳裏に焼き付いてる…食事中は厳しい(笑)もう何なん。何食べてんの。気持ち悪すぎ。うわぁ嫌いや。想像したないゾワゾワする。どこかに何かに繋がってる。扉も鏡も要注意、異世界にいらっしゃい2022/10/03
Tanaka9999
11
廣済堂出版の文庫本。奥付に発行日記載なし。23編。うーんと、この手のホラーはあまり得意でないというか、よく分からないというか。きっちりオチがつかないというか、そういう感じのものもあって、そういうのが嫌なのかも。というなんとも纏まらぬ感想です。2022/07/24
那由多
11
グランドホテルのテーマに、さらに追加してバレンタインデーの縛りも加わった面白い試みのアンソロジー。23人の作家で一軒のホテルを構成するモザイクノベルなので、人物が交錯したりレストランやバーの店名が同じだったりする。新津きよみ、恩田陸、森真沙子、京極夏彦、田中啓文、田中文雄、竹河聖、菊地秀行が特に良く、井上雅彦は編集者にしか出来ない短編だった。2018/12/14