内容説明
時間ノイズの内部へ!音楽の概念と作曲の概念をラディカルに変容させた現代音楽最後の巨匠・シュトックハウゼンのセリエルな思考が、二十世紀音楽すべてに批判の矢を放つ。
目次
技法(手仕事)の状況―「点の音楽」の特徴
ヴェーベルン『九楽器のための協奏曲』作品24第一楽章アナリーゼ
作業報告1952/53―オリエンテーション
作業報告1953―電子音楽の成立
メチエ(手仕事)の現状について―サウンドコンポジション
群の音楽 『ピアノ曲1』リスニングガイド
ヴェーベルンからドビュッシーへ―統計的形式のためのノート
構造と経験時間
…いかに時は過ぎるか…
電子音楽と器楽音楽
空間の中の音楽
音楽とグラフィック
モメント(瞬間)形式―演奏時間、作品時間そして瞬間のあいだの新しい関連性
音楽的時間の統一性
発明と発見―形式生成のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
若い脳
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これは是非手元に置いておきたい。 作曲に限らず、何かをつくる人は短い経験時間で読めると思います。2010/09/21
buy-obey-consume
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電子音楽の祖と呼ばれることの多いシュトックハウゼンだが、電子音という新しい音のテクスチャーよりも、厳密さをきわめる構造に対するあくなき興味が電子音楽へと向かわせた。ピッチやリズム、音色をコントロールできる電子音楽スタジオは、セリー主義を追求していく上で不可欠なものであった。音楽を聴いただけではなかなか伝わってこないシュトックハウゼンの思考や音を構造化するプロセスが、多くのキーワードとともに解説される。