出版社内容情報
本書は、中世の絵画・彫刻に表現された悪魔像から、キリスト教世界における「悪魔」の正体、意味、位置づけなどを読み取る図像学の本である。ジオット、シニョレルリなどを始めとする貴重な悪魔絵を112点(内カラー19点)掲載して、資料性は充分。悪魔は悪魔となる以前には何者であったのか? なぜ、悪魔は、悪魔となったのか? 「悪魔学入門」としても有益な一冊。さらにテーマを掘り下げた、高山宏氏の「訳者後記」は必読。
序論
第一章 悪魔の名
「悪魔」と「サタン」がちがうこと/悪魔がルシファーの名を冠せられた次第/何の罪で悪魔は天を追われたか/悪魔の権利とキリスト釣針説
第二章 悪魔が悪魔の姿になったわけ
悪魔はどうして裸なのか/悪魔の外形的特徴/悪魔はどこに見つかるか
第三章 異端と地獄
二元論、そして悪魔のパラドックス/最後の審判と黙示録のちがい/ベアトゥスと「汚れ」/異端、そして悪魔の新しい役目、1184年/魂の秤量
第四章 ギスレベルトゥズの成功とジオットの失敗、そして地獄のエロティシズム
最初の『最後の審判』/ジオットには悪魔が描けない/大道に人の影なき/最後の審判のエロス/最後の『最後の審判』
第五章 反逆天使としての悪魔
反逆天使/ランブール兄弟、そしてボードレールの方へ/終章
訳者後記
文献注
索引
内容説明
中世美術に見る悪魔の図像学。
目次
第1章 悪魔の名
第2章 悪魔が悪魔の姿になったわけ
第3章 異端と地獄
第4章 ギスレベルトゥスの成功とジオットの失敗、そして地獄のエロティシズム
第5章 反逆天使としての悪魔