内容説明
音楽と聴衆の媒介作用“メディエーション”に焦点をあてるポピュラー音楽研究の新潮流。ローカルなアイデンティティの形成と主張、空間や時間の重複とズレ。「アジア」という地理的かつ理念的な枠組みを設定し、新たな視座を提供する。音楽文化の現在に見取り図を示すシリーズ完結巻。
目次
第1章 かつてワールドミュージックのブームがあった
第2章 チャイニーズ・ポップの歴史と現状―日本における受容を『POP ASIA』誌の歩みとともに
第3章 韓流ポップの現状
第4章 アジェッグ・バリとポップ・バリ―ローカル・アイデンティティをめぐる文化運動とバリ島のポピュラー音楽の変遷
第5章 カントゥルム・ロック―タイ・クメール系歌謡の変容
第6章 インドのポピュラー音楽と音楽産業
第7章 中東のジプシー音楽のポップ化
第8章 オーストラリアにおける和太鼓の受容と土着化―ハイブリッドのオーストラリア太鼓音楽までの道
第9章 ポピュラー音楽にみるNRI(在外インド人)のジレンマ
著者等紹介
井上貴子[イノウエタカコ]
1957年岐阜生。インド、デリー大学に4年間留学、南インド古典声楽を学ぶ、帰国後、インド音楽の研究と演奏の両方で活動。東京大学大学院修了、博士(学術)。現在、大東文化大学国際関係学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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