出版社内容情報
ひきこもり、トラウマ、村上春樹、多重人格、手塚治虫、おたく、「キレる」、動機なき犯罪──同時代の貌を映す精神分析クロニクル。
ひきこもり問題で名をはせた気鋭の精神科医による社会評論集。多重人格や記憶喪失をひきおこすような心のメカニズムを指す、「解離」という言葉をキーワードに、社会を震憾させた犯罪から文学、映画、漫画などあらゆる表現までを分析する。90年代半ばから現在までに発表された論文を集成し、時代の相貌を映し出す。
関連書:『社会的ひきこもり』(PHP新書)、『心理学化する社会』(PHP)ほか
Ⅰ 時代と社会
1 解離現象から見た「おたくとオウム」
2 思春期と攻撃性 「サブカルチャー」の視点から
3 「社会的ひきこもり」とヴァーチャル・リアリティ
Ⅱ 「事例」検討
4 精神科医は多重人格の幽霊を見るか?
5 「教養」から「神経症」へ 手塚治虫の現在形
6 メタ密室と命名の身振り ポー、ラカン、清涼院流水
7 解離の技法と歴史的外傷 『ねじまき鳥クロニクル』をめぐって
Ⅲ 対話
8 「多重人格」の射程 大澤真幸×斎藤環
9 トラウマと解離 中井久夫×浅田彰×斎藤環
10 工学化する社会/動物化する人間 東浩紀×斎藤環
Ⅳ 「精神分析」のために
11 「空虚さ」を超え「不安」のほうへ
12 「歴史の終わり」と空虚さの病理
13 解離とポストモダン、あるいは精神分析からの抵抗
14 「精神分析」を回避することの困難さについて
おわりに
初出一覧
内容説明
精神分析とシステム論の架橋。同時代の貌を映す精神分析クロニクル。
目次
1 時代と社会(解離現象から見た「おたくとオウム」;思春期と攻撃性―「サブカルチャー」の視点から ほか)
2 「事例」検討(精神科医は多重人格の幽霊を見るか?;「教養」から「神経症」へ―手塚治虫の現在形 ほか)
3 対話(「多重人格」の射程(大沢真幸×斎藤環)
トラウマと解離(中井久夫×浅田彰×斎藤環) ほか)
4 「精神分析」のために(「空虚さ」を超え「不安」のほうへ;「歴史の終わり」と空虚さの病理 ほか)
著者等紹介
斎藤環[サイトウタマキ]
1961年、岩手県生まれ。筑波大学医学専門群環境生態学卒業。医学博士。現在、爽風会佐々木病院医師
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感想・レビュー
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寛生
readtuktuk
ハイパー毛玉クリエイター⊿
えこいのさん