内容説明
ミス・コンテストの問題や、性の商品化をめぐる問題などにおいては、いったい何が差別なのか、したがった何がどうなれば平等だといえるのか、必ずしも明確ではない。「男性と女性が平等である社会とはどういう社会か?」という問いは、今や答えることのもっとも困難な問いになっているのである。本書は、この困難な問いをけっして放棄することなく、常に問い続けるという姿勢を貫きながら、…暫定的ではあるが、「平等な社会」について、一つの明確なイメージを浮かび上がらせようとするものである。
目次
1 モダニティとフェミニズム(二つのフェミニズム;理論と戦略の乖離;「政治」と「性」と「女」―フェミニズムの現代的困難)
2 性愛という問題(ラディカル・フェミニズムの問題構制;処女性の誤謬;狂気と愛)
3 〈女〉というリアリティ(ベビーフェイスとヒール―「アグネス論争」とは何だったのか;補完する性―自明性を生きる男と女;男装の意味―フェミニスト的実践の亀裂)