双書エニグマ
ダメットにたどりつくまで―反実在論とは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326199136
  • NDC分類 133.5
  • Cコード C3310

出版社内容情報

ダメット哲学への本格的な入門書。反実在論の根本にあるフレーゲと直観主義論理の解釈から始める。議論のつながりが見えてくれば、ダメットは面白い。

マイケル・ダメットは1925年生まれ、イギリスの哲学者。ダメットの主張は「反実在論」と呼ばれる。彼の着想は従来の実在論-反実在論の論争とは違うところにある。この論争を外的世界についての言明に対してどのような意味論を採用するかをめぐる論争と捉えるのである。膨大な数の著作でなされる議論の相互関係を分り易く解説する。

関連書:ダメット『真理という謎』 『真理と過去』(勁草書房刊)


序論 ダメットの構想

第一章 背景としてのフレーゲ哲学
1 プラトニズム
2 フレーゲのプラトニズム
3 プラトニズム・言語論的転回・反実在論

第二章 直観主義から反実在論へ
1 ブラウワーの直観主義
2 直観主義論理の形成
3 反実在論の論理は何であるべきか

第三章 論理の改訂はいかにして可能か
1 演繹の正当化
2 全体論的言語観と分子論的言語観
3 全体論はなぜ改訂主義を阻むのか
4 全体論の問題点

第四章 ダメットの直観主義
1 真理概念の認識超越性
2 習得論証
3 表出論証
4 「表出の要求」とは何か

第五章 意味理論とは何か
1 真理条件的意味理論
2 意味理論の構造
3 反実在論的意味理論と意義の役割
4 意味理論の「徹底性」をもう一度考える
5 終わりに


あとがき
付録1 直観主義(命題)論理の公理系
付録2 直観主義論理の自然演繹体系
文献
索引

内容説明

議論のつながりが見えてくれば、ダメットは面白い!反実在論の根本にあるフレーゲおよび直観主義の解釈から始める。

目次

序論 ダメットの構想
第1章 背景としてのフレーゲ哲学
第2章 直観主義から反実在論へ
第3章 論理の改訂はいかにして可能か
第4章 ダメットの直観主義
第5章 意味理論とは何か

著者等紹介

金子洋之[カネコヒロシ]
1956年小樽市に生まれる。1986年北海道大学大学院文学研究科博士課程退学。専修大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

iwri

7
個人的には、直観主義の哲学的理解やブラウワー、ハイティンク、ダメットの直観主義理解の差異についての解説が面白かった。十分に飲み込めたわけではないけれど、直観主義の論理から反実在論へ至る過程も面白い。繰り返し重要な論点を説明していて、とても親切ではあるけれど、内容的には比較的難しいと思う。少なくとも、分析哲学系の議論の大筋と数理論理学の基礎知識くらいはないと読み通すのは難しいのではないかと思う。2012/01/25

3
ダメットの哲学の入門書。最初の二章でダメットの哲学の背景となっているフレーゲと直観主義が解説され、第三章以降では数学の哲学におけるダメッ手の反実在論証の概要が描き出されている。筆者自身も述べているように、この本はダメットの哲学の全てを網羅しているわけではなく、例えば過去の反実在論などといったトピックは省かれている。しかしながら、ダメットの哲学のバックグラウンドや意図するところは筋道立てて丁寧に解説されており、ダメット自身の著作に当たる前の足掛かりとしては非常に優れていると思う。2013/03/06

田蛙澄

2
フレーゲとブラウアー、ウィトゲンシュタインを背景としながら、全体主義が維持できないことから分子論的言語観を取り、そこにおいて改訂可能性を保持し、実在論的な真理概念では実効的に非決定的な言明が扱えないことから認識超越な真理条件ではなく、直観主義論理的な証明条件と反証条件による意味理論を提唱し、その意味理論として、習得論証と表出論証において意味の把握が問題になったように、真理理論による命題内容だけでなく意味の帰属のための正当化条件が必要だったというダメットの意味論が述べられていて難しいが勉強になった。2017/02/26

yuyu_de_gozaru

1
Brouwerの直観主義への興味から,読んでみた一冊.Dummettの反実在論というのは初めて触れることもあり,果たしてたどり着くことができたのか自分ではわからないが,直観主義から「反実在論」という考え方が引き出され得るという事実にとりあえず感動.Heytingの論理としての側面ばかり見てしまいがちだけど,新鮮な一冊だった.2011/07/14

RM

0
とりあえずざっと。ちゃんと買って読み直すべきかな。2011/09/02

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