出版社内容情報
感覚与件理論に体現されている過度の簡略化、画一化、二分法への崇拝といった傾向を日常言語の詳細な分析によって徹底的に破壊する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ppp
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再読。オースティンのような立場でもそうだけれど、言語や種々の知覚的性質の連関についての日常的実践をなす「一般人」の立場が気になる。オースティンの批判は、自身の破壊を終えて一種の基礎を定立しようとするとき、その立場を最重要視するからだ。オースティンの批判は、いくつかのタイプの自然主義批判によって相殺されるように見える。ストローソンとその周辺の議論と共に、もう少し理解を深めたい。2014/01/06
ppp
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現象主義批判の勉強。言っていることは我々の日常的な思考、言語のあり方に即しているので、非常に納得できる。なのだけれど、直のセンス・データ論者に加え、デカルトにはじまる観念論(説)者などは、どこまでオースティンの批判にあてはまるか、疑問に思う。ロックの直接実在論的解釈は、こうした批判をかわす目的があるように思う。2013/10/21
u_ljn
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破壊的な懐疑論を破壊的な仕方で破壊している… 2020/01/18