時間の本性

個数:
  • ポイントキャンペーン

時間の本性

  • 植村 恒一郎【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 勁草書房(2002/01発売)
  • ゴールデンウィーク ポイント2倍キャンペーン対象商品(5/6まで)
  • ポイント 54pt
  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年04月30日 18時34分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326153596
  • NDC分類 112
  • Cコード C3010

出版社内容情報

誰でも知っているが改めて問われると答えるのに難しい問いがある。時間もその一つである。時間には量としての側面と、過去・現在・未来という様相の側面がある。前者はアリストテレス、後者はアウグスティヌスの考察が有名である。著者は量的な時間をベースに時間様相をも運動、変化、生成・消滅といった基本概念によって捉えようと試みる。その場合、鍵になるのが「現在」である。現在は存在の問題に直結しているから。ゼノンのバラドックス、マクタガートのバラドックス等を織り込みつつ、複雑な課題を緻密に解明する手ぎわは鮮かである。

序論 哲学的時間論の課題

第一章 時計の時間──「速さ」なき「時間の流れ」
1 時計の針の「速さ」?
2 基準運動の「自己比率」としての時間
3 時計と自我

第二章 ゼノンのパラドックス──アキレスと亀の時計なき競争
1 アリストテレスの解決
2 擬似時計としてのアキレス

第三章 「現在」とは何か──実在に触れることの透明性
1 時間様相としての「現在」
2 知覚の透明性
3 共通感覚の「同時性」

第四章 体験の流れ──中心から湧き出す同心円
1 「もの」と「出来事」
2 「再認」と世界の「持続」

第五章 「過去」と「未来」──体験は大地を流れる
1 時間の基体としての「大地」
2 記憶としての「過去」、記憶の鏡像としての「未来」
3 ベルクソン

第六章 マクタガートのパラドックス──「地」なき「図」の迷宮
1 時間様相の自己矛盾?
2 批判的検討

第七章 時間と自由──自己の外部で自己を失わないこと
1 私の年齢は私のものか?
2 決定論と自由


あとがき

内容説明

量としての時間と時間様相(過去・現在・未来)を統一的に捉える。存在に直結する「現在」に焦点を合せ、複雑な諸概念のもつれを丹念に解く。

目次

序論 哲学的時間論の課題
第1章 時計の時間―「速さ」なき「時間の流れ」
第2章 ゼノンのパラドックス―アキレスと亀の時計なき競争
第3章 「現在」とは何か―実在に触れることの透明性
第4章 体験の流れ―中心から湧き出す同心円
第5章 「過去」と「未来」―体験は大地を流れる
第6章 マルタガートのパラドックス―「地」なき「図」の迷宮
第7章 時間と自由―自己の外部で自己を失わないこと

著者等紹介

植村恒一郎[ウエムラツネイチロウ]
1951年東京に生まれる。1981年東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程修了。現在、群馬県立女子大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nchiba

2
時間はどんどん過ぎ去っていくし、不可逆なものだということは経験的に分かるが、時計で計られる時間との区別を考えたことはなかった。時計が天体の動きで計るものだから、宇宙に時間というものが当たり前に存在すると考えていた。たしかにビッグバンから今に至る過ぎ去った時間の流れは存在するようだが、それは人間がそう認知するから存在するのであって、絶対的に存在し、本当に不可逆なものなのかは実際のところよくわからないのだな。言葉で記述しようとすると実に曖昧な概念で、今でも哲学的にはいろいろな議論があるということがわかった。2011/05/06

Yasomi Mori

1
哲学史上、時間にまつわる諸問題の考察は様々になされてきたが、本書はそれらの議論のある部分を整理し、そこに著者なりの分析が加えられている。主観的・意志的な“私の世界線”における未来と、天文学的スケールで実在する「日付」や一般化された記憶や知識が投影された“大地”における未来。このふたつの側面を捉えることが重要である、という整理は明快でたいへん勉強になった。2015/08/13

ひーくん

0
とてもエキサイティングな本だった。本性的時間がいかにして成立するかを運動や知覚から緻密に分析している。現在の豊潤な含意は生の歓喜を歌っているようだ。僕は植村先生の授業を今学期直接受けたが、哲学は概念の調整によって我々の生き方を豊かにするものだといっていたことが印象的だった。この本はもう10年以上も前に書かれたもので、まだアキレスと亀などの議論が筋を得ていないと感じたが、論文等でその議論はより丁寧になっているので、そちらも参照してみることをおすすめします。授業では時間と空間の関係がより議論されていました2016/01/20

MADAKI

0
【時間から人間の自由を論じる】時間は恐らく最も基礎的な概念だ。時間は万人に自明の共通概念と見られがちだが、逆に根源的概念であるがゆえに、時間の理解は非常に困難だ。筆者はこの困難なテーマに正面から挑み、主にアリストテレスから多くの着想を得て、時間の考え方を詳細に分析する。本書の最終章は「自由」である。「今」「現在」は私という一人称以外の何物でもないという理解から始め、物理的決定論に反論して人間の自由を説く。「自己の外部で自己を失わないことができるとすれば、その可能性こそが、『自由』と呼ばれるものであろう」2018/10/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/311559
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。