出版社内容情報
ロールズ『正義論』(1971年)の刊行は20世紀政治哲学の最大の事件であった。本書は『正義論』の全貌を明らかにし,リバタリアニズムと共同主義の両面からする批判を検討。
内容説明
『正義論』の内容を分かり易く説明し、リバタリアニズムと共同体論の両面からするロールズ批判を丁寧に検討する。
目次
第1章 新たな出発
第2章 ある社会契約論
第3章 正義論
第4章 解釈問題
第5章 リバタリアニズムからの批判
第6章 共同体論からの批判
第7章 自己評価
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
11
各章ごとに要約がなされ、大づかみでも文脈がつかめるので大変助かりました。功利主義を前提とする社会へのアンチテーゼとして、少数者の個人主義の確立のためへ正義論を唱えた歴史や、その少数者の異見の確立の別の方法としてノージックを筆頭とするリバタリアンがあることもよくわかりました。また、サンデルを筆頭に共同体論からの批判を受けて、後期ロールズは対立する見解の間に実践的な合意を確保するようになったというまとめについては、著者と同様の感想で、そのような野合は政治哲学を却って再度の「沈黙」に戻してしまう危険を感じます。2022/08/14
Yuto Ashida
2
ロールズがいかに難解か、ということははっきり理解した。2013/01/28