切磋琢磨するアメリカの科学者たち―米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌

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  • サイズ A5判/ページ数 163p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784320056206
  • NDC分類 407
  • Cコード C3045

出版社内容情報

現在日本にはNIHなどの米国機関を解説した著書や米国の研究室を紹介する著書は多くあるようだが,残念ながら大学システムを含めた米国アカデミア全体を解説した著書はきわめて少ないように見受けられる。そういった意味で,本書では筆者の経験を基に,米国の大学システムがいかに科学研究費の申請・審査のシステムと絡み合うことで機能し,また,科学研究費のピアーレビューの批評と結果が米国の研究者の切磋琢磨する土壌を作り上げているかを解説する。

モティベーション・米国の大学教育システム(I.学部教育,II.大学院教育)・アカデミック研究を支える大学のシステム・アカデミック研究を支える科学研究費―その申請と審査のすべて・日本との比較

内容説明

科学者として生き残るには何が必要か?日本のアカデミアに足りないものは何か?真の競争的科学研究費とは何か?これらを解き明かす「切磋琢磨本」。

目次

1章 米国の大学教育システム(学部教育;大学院教育)
2章 アカデミック研究を支える大学のシステム(新任教員の採用;テニュア制度と審査 ほか)
3章 アカデミック研究を支える科学研究費―その申請と審査のすべて(科学研究費の種類;NIHの研究計画書申請 ほか)
4章 日本との比較―日本のシステムをどのように改革すべきか(米国アカデミック研究の総括;日本のアカデミック研究と教育の活性化に向けた提案)

著者等紹介

菅裕明[スガヒロアキ]
1986年岡山大学工学部工業化学科卒業、1987年スイス・ローザンヌ大学化学科留学、1989年岡山大学大学院精密応用化学研究科修士課程有機化学専攻修了、1994年マサチューセッツ工科大学(MIT)化学科Ph.D.取得、同年米国・マサチューセッツ工科大学化学科・博士研究員、同年米国・ハーバード大学医学部・マサチューセッツ総合病院・分子生物学科・博士研究員、1997年米国・ニューヨーク州立バッファロー大学・化学科(生物科学科、細菌生物学科兼任)Assistant Professor、2002年米国・同大学・同学科・Associate Professor(tenured)、2003年東京大学先端科学技術研究センター・助教授。現在、東京大学先端科学技術研究センター・助教授。専攻、Chemistry and Biological Sciences
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Moloko

1
10年後位の菅さんの日米の大学システム・競争的研究の比較の論考は既に読んでいたが、やはり当時の日本の競争的研究資金制度は人材対象になった研究への批評が雑で、審査される側にとって何が自分の提案した研究の欠点であるか、大学名や著名度を抜きにした純正な科学的見地から公正に審査されたか分からないという欠陥があった。このような建設的批判から現行の制度が少しずつ改善はされたが、菅さんが指摘したように大学の現行の目先の金儲けに走らせ、独法化も株式会社化と勘違いする官も多いが、大学は独創的かつ長期的な研究の母体だろう2017/08/17

NekoApple

1
『切磋琢磨するアメリカの科学者たち』/単行本/★★★★☆/アメリカの競争的な研究環境で研究する科学者は、どのようにしてキャリアを積み、研究資金を得るのか、について解説。競争的資金制度の日米比較も。/http://bit.ly/f9xh0l2011/01/05

こらった

0
NIHの競争的資金制度について詳しく書かれている。これほど研究計画が細部まで求められる背景には、アメリカ(商業)社会の要請が透けて見えるが、それで研究者としての能力が身に付くというのは全くそのとおりであろう。2017/05/21

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