基本法則から読み解く物理学最前線<br> 量子アニーリングの基礎

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基本法則から読み解く物理学最前線
量子アニーリングの基礎

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  • サイズ A5判/ページ数 152p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784320035386
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C3342

出版社内容情報

 カナダのベンチャー企業,D-Wave Systems によって「量子コンピュータ」が開発・発売され,反響を呼んでいる。
 量子コンピュータは,1994年に因数分解を高速で行う量子アルゴリズムが発見されたことを契機に,研究が一気に加速した。当初提案されたのは「量子ゲート方式」と呼ばれるタイプであった。この方式の強みは,量子力学系のシミュレーションなどのいくつかの計算が,通常のコンピュータより大幅に効率よく実行できることにある。しかし,大規模な回路を構成して安定的に演算を実行する技術の開発は途上である。
 一方,これとはまったく異なるアプローチとして「量子アニーリング」が着目され,D-Wave 社がハードウェアの動作原理として実装して世に出すに至った。量子アニーリングは,当初は磁性体のイジング模型の基底状態を,量子力学的なゆらぎを利用して探索する方法として考案された。基本素子として量子ビットを使うという点では量子ゲート方式と同じだが,当面の目的やその実現方法は異なっている。量子アニーリングは,巡回セールスマン問題などの「組み合わせ最適化問題」に特化したアルゴリズムなのである。
 本書は,量子アニーリングの計算原理の発案者による,日本語で書かれた唯一の解説書である。量子アニーリングの基本的な定式化や動作原理の説明だけでなく,機械学習への応用やベンチマークテストの例,さらにはD-Waveマシンのユーザーインターフェイスの解説まで幅広く取り上げている。

第1章 量子アニーリングとはいったい何か
1.1 社会的背景
1.2 量子アニーリング
1.3 量子アニーリングは何を目指すのか
1.4 量子アニーリングはどうやって最適化問題を解くのか

第2章 イジング模型と組み合わせ最適化問題
2.1 イジング模型
2.2 フラストレーションとスピングラス
2.3 組み合わせ最適化問題とイジング模型
2.4 現実のデバイス上での表現(I): 多体相互作用
2.5 現実のデバイス上での表現(II): 長距離相互作用など
2.6 組み合わせ最適化問題の例
  2.6.1 巡回セールスマン問題
  2.6.2 分割問題
  2.6.3 充足可能問題
  2.6.4 クラスタリング

第3章 2状態系の量子力学
3.1 2つの状態が同時に実現するということ
3.2 重ね合わせの行列表現
3.3 状態の入れ替えの行列表現
3.4 ブラケットによる表記の簡略化
3.5 シュレディンガー方程式
3.6 複数のスピンがあるとき

第4章 横磁場イジング模型と量子相転移
4.1 横磁場イジング模型と量子アニーリング
4.2 有限時間での探索
4.3 横磁場イジング模型の量子相転移
4.4 横磁場イジング模型における量子相転移の例

第5章 断熱時間発展の条件
5.1 漸近的断熱条件
5.2 厳密な断熱条件
5.3 データベース探索問題の量子断熱解
5.4 非断熱遷移

第6章 量子相転移の次数とエネルギーギャップの関係
6.1 2次相転移
6.2 1次相転移
6.3 例外の例

第7章 収束条件
7.1 収束条件
7.2 古典アルゴリズムとの比較

第8章 量子ゲート模型との等価性
8.1 量子ゲート模型が量子アニーリングを効率よくシミュレートできること
8.2 拡張された量子アニーリングが量子ゲート模型を効率よくシミュレートできること
8.3 スピン模型での表現およびユニバーサリティ
8.4 非疑似古典確率的ハミルトニアンによる指数関数的な高速化

第9章 量子アニーリングのシミュレーション
9.1 マルコフ連鎖モンテカルロ法
9.2 シミュレーテッド・アニーリング
9.3 横磁場イジング模型の古典シミュレーション

第10章 機械学習との関わり
10.1 ボルツマン機械学習
10.2 QBoost
10.3 辞書学習
10.4 量子ボルツマン機械学習への挑戦

第11章 量子アニーリングマシンのベンチマーク
11.1 1億倍速いというのは本当か
11.2 より精密な比較

付録A 統計力学の処方箋
付録B D-Waveマシンの利用法

参考文献

索  引

西森 秀稔[ニシモリ ヒデトシ]
著・文・その他

大関 真之[オオゼキ マサユキ]
著・文・その他

須藤 彰三[ストウ ショウゾウ]
監修

岡 真[オカ マコト]
監修

目次

量子アニーリングとはいったい何か
イジング模型と組み合わせ最適化問題
2状態系の量子力学
横磁場イジング模型と量子相転移
断熱時間発展の条件
量子相転移の次数とエネルギーギャップの関係
収束条件
量子ゲート模型との等価性
量子アニーリングのシミュレーション
機械学習との関わり
量子アニーリングマシンのベンチマーク
付録A 統計力学の処方箋
付録B D-Waveマシンの利用法

著者等紹介

西森秀稔[ニシモリヒデトシ]
1982年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。1984年東京工業大学理学部助手。1990年東京工業大学理学部助教授。1996年東京工業大学理学部(2016年より理学院)教授。受賞歴:1990年日本IBM科学賞、2001年英国物理学会フェロー、2006年仁科記念賞、2014年第13回日本イノベーター大賞

大関真之[オオゼキマサユキ]
2008年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。2010年京都大学大学院情報学研究科助教。2016年東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学専攻、准教授。受賞歴:第6回日本物理学会若手奨励賞(領域11)、平成28年度文部科学大臣表彰若手科学者賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

24
薄い本だから、さくさく読めるかと思ったら、ごつごつ突き当たることが多かった。量子力学がわかっていることが前提で、なおかつ、量子力学を研究している人たちの常識の上に書いているため、量子力学以外の専門分野の人には飛び飛びに感じることがあちこちに散見されるかもしれない。2020/03/03

Haruki

0
1998年の著者の論文、また2011年D-Wave発表以降、大きな発展を遂げており、組み合わせ最適化問題などで古典コンピュータよりも早く解を与えられることもあることが示されている。解きたい問題のパラメータを2値多変数のイジングモデルに落とし込み、論理キュービットから隣接2物理キュービットへと埋め込みモデルを使ってハードで演算できる状態にする。アニーリング時間、エネルギーギャップに依存するが断熱条件を満たして時間発展計算することで、最適解となる係数に終着させる。量子加速は議論中の話題で深堀りしたい。2022/08/31

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