出版社内容情報
ガンマ探求の旅は名高い素数定理やリーマン予想にまで繋がっていく.歴史的な文脈の中で展開される物語から数学の面白さを感じよう!
内容説明
本書は、数学の巨人オイラーの名前が冠された、π、e、iに続く第4の重要な定数ガンマ“γ”を象徴的に取り上げて、対数、調和級数、素数などに関連する諸々の解説を、18世紀を中心にした歴史的な文脈の中で展開していく。
目次
対数のゆりかご―対数がどこで生まれ、どのように育ったか
調和級数
部分調和級数
ゼータ関数
ガンマγの生まれた場所
ガンマ関数Γ
素晴らしき公式、オイラー積
果たされた約束
ガンマγって…何?正確に!
小数としてのガンマγ
分数としてのガンマγ
ガンマの値はいくつなの?
世界は調和で満ちている
世界は対数で満ちている
素数をめぐる問題
リーマンの構想
著者等紹介
新妻弘[ニイツマヒロシ]
1946年茨城県に生まれる。1970年東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了。現在、東京理科大学理学部数学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中年サラリーマン
14
リーマンゼータ関数辺りでついていけなくなってしまったがガンマという定数は対数と相性がよく統計とかその変によく出てくる定数だということはわかった。2014/04/30
むらさき
13
面白かった。 最後は素数定理、リーマン予想まで行き着く。 定理証明の流れではなく、動機や発見を主軸に置いているのがめちゃ良い~ 数論したくなる~ 恥ずかしながら、やっとゼータ関数の面白さに触れられた気がします。 数式や証明は流し読みしてしまったけど、全体の話の流れは楽しめた。 複素解析もう一回復習したら厳密にやりたい! やっぱりガウスとリーマンを信じて数学していきたい。 理解を積み重ねてもっと深く味わえるように精進していきます!2024/02/05
BIN
6
オイラーの定数γは調和級数と対数の極限の差の定数ですが、それ以外にお目にかかったことがなかったのだが、結構いろいろなところで登場していたんだなと本書で実感した。途中の計算とかも書いててわかりやすいものの、終盤は素数定理やリーマン予想とかでちょっと難しかった。2022/02/02
やす
6
πとかeに比べて知名度の圧倒的に低いγだけれども、日常生活に大いに関係している。こないだTVで何人目に付き合った人と結婚すべきかの数学理論が紹介されていたけど(内容は0だけどね)この例も調和級数の応用例であり調和級数の誤差評価に登場するのがγである。数学の数論分野に主に生息し現在の数学の最大の難問リーマン予想にも深く関わる。副題のとおりγを狂言回しとして対数の発見の当初から20世紀までの数学のエピソードをかなりハードに紹介してくれる。数学の発展には級数が大活躍。高校生諸君、数列って大切。実生活でもね。2016/01/19
EnJoeToh
4
欧米ベストセラーだそうだけど、学部二年生くらいじゃないと読めないような。フリーマン・ダイソン序。2009/08/11