出版社内容情報
【解説】
大学理工学部教養コースの代数学の教科書または参考書として定評ある名著の改訂版。
【目次】
複素数・方程式論の基本定理・スツルムの問題,根の計算・多項式の整除・対称式,置換・三次および四次方程式・不可能の証明・行列式・二次形式・終結式他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
20
「古色蒼然」という言葉の相応しい内容なのだけど、逆にそこに味わいを感じる。ガロア理論を普通に使う類体論を展開した著者なのに、ガロア理論は一切扱わずに五次方程式に解の公式がないというアーベルの定理を解説してあるところが逆に珍しく、読みどころとも言える。ガロア理論なかりせばこんなに現代的でなくなるのが凄い。三角関数を利用する三次方程式の解法なども珍しい。数学科の学生が講義の予習復習のために使うことはほぼないようなテキストだが、古典に浸りたいときに読み物として手元にあると嬉しい一冊。だが数年前に断捨離した……
LUNE MER
1
内容は今となってはかなりカビが生えてる感はあるのだけど、逆に今の代数学のテキストではお目にかかれない定理等も多く、それはそれで面白い。代数方程式の解法に関する箇所ではガロア理論が登場する以前のラグランジュの理論やアーベルの理論に説明が割かれている。ラグランジュのクラシックで美しい理論は問題の完全な解決に至らぬまでも数学の面白さを充分に堪能させてくれる。