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心は実験できるか―20世紀心理学実験物語

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  • サイズ B6判/ページ数 405p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314009898
  • NDC分類 140.7
  • Cコード C0011

出版社内容情報

その実験、取り扱い注意!

わが子を箱に入れて「条件づけ」する、被験者を騙して電気ショックを与えさせる、病気のふりをして精神科を受診する……論争的でときに悪名高い10の心理学実験――いったい何が心理学者を衝き動かしていたのか。実験者本人や関係者へ突撃取材を敢行し、当時の状況を追体験しつつ、実験のはらむ倫理的問題も抉り出していく、大胆かつ刺激的なノンフィクション。


2005年掲載
朝日新聞10/9、日経サイエンス12月号

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本書はただの実験心理学入門書ではない。
ここには心理学というものを、
そしてこの社会に生きる人間の営みそのものを
見直す「眼」がある。
学問的な問題をこのように自らに引き付けて語れる者は、そうはいない。

語り口に問題があるとしても、
さまざまな心理学実験を自らの眼で確かめ、
そこに新たな次元を切り開いてみせるという本書の意義は
まったく損なわれるものではないと私は信じている。

読者がスレイターとともに、10の実験を通じて、
自らの心の中に真実のかけらと、新たな疑問をとを見つけていただけたなら幸いである。
                           訳者あとがき  より

内容説明

世界を驚愕させ、物議をかもし、ときには汚名を着せられた10の心理学実験。いったい何が心理学者たちを衝き動かしていたのか。その実験、取り扱い注意。

目次

1 スキナー箱を開けて―スキナーのオペラント条件づけ実験
2 権威への服従―ミルグラムの電気ショック実験
3 患者のふりして病院へ―ローゼンハンの精神医学診断実験
4 冷淡な傍観者―ダーリーとラタネの緊急事態介入実験
5 理由を求める心―フェスティンガーの認知的不協和実験
6 針金の母親を愛せるか―ハーローのサルの愛情実験
7 ネズミの楽園―アレグザンダーの依存症実験
8 思い出された嘘―ロフタスの偽記憶実験
9 記憶を保持する脳神経―カンデルの神経強化実験
10 脳にメスを入れる―モニスの実験的ロボトミー

著者等紹介

スレイター,ローレン[スレイター,ローレン][Slater,Lauren]
ハーヴァード大学で修士号、ボストン大学で博士号を取得している心理学者/臨床心理士であり、数々の賞を受賞しているノンフィクションライター

岩坂彰[イワサカアキラ]
1958年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。編集者を経て翻訳家に
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

88
次男からの借り本。その実験が被験者に与える影響、倫理的な是非が物議をかもした10の心理学実験。実験の概要だけではなく、関係者や研究者当人に取材して「実験のその後」の記述が興味深い。が巻末の訳者あとがきによるとその取材の記述に対して「私はそんな事は言っていない」とのクレームが数多くでたらしい。この本自体が物議をかもしていたのか。出版は12年前。現在はどんな評価を受けているのだろう。2016/08/11

たかね@心理学

7
英版書名が『OPENING SKINNER'S BOX』。著者は取り上げた複数の心理学の研究について、研究のきっかけとなった背景から著者との接触、果てには自身が被験者としてまで現象を探求している。内容はスキナーからミルグラム、ローゼンハン、ダーリーとラタネ、カンデルなど。多大な影響を与えた研究について取り上げている。インタビューや実験の記述からは臨場感が感じられた。心理学の知識を「深める」とはこのことだ。ひとつの事象に対する仮説と結果の論文の束ではない。ぜひ心理学を学ぶ者に手に取っていただきたい一冊。2015/05/16

ぷるぷる

5
少々センセーショナリズムに偏った感はあるが、「心」を解明しようとした歴史は興味深い。ミルグラム、ローゼンハンと言った名前は知らなくてもその実験内容は一度は聞いたことのあるような有名な心理実験を10編に対して情報を集め、取材を行った結果が本書ということになる。ドキュメンタリーとでも呼ぶべきなんだろうが、あまりにも著者自信が前に出すぎなのと、構成上も著者の意図が強くむしろエッセイと呼びたい。いずれにしろ心理学実験がどうも非人間的な印象を与えるのは「目的が手段を正当化するか?」 ということだと強く感じた。2010/11/05

4
実験自体は超有名なものばかり。"心理学"へのうさんくささは消えないが、重篤な精神病を目にしたことがなく、それがどれほどのものなのかを実感していない私は、実験者たちをうかつに評価できない。野心はあれど、治したいという渇望が中心あったと信じたい。2024/02/23

くれは

4
テラスハウスの事件、既視感があると思ったがスタンフォードの監獄実験とミルグラム実験の現代版だと気づいた。これらはハンナ・アーレントが『エルサレムのアイヒマン』で説いたナチズムの「悪の陳腐さ」を立証したものとも言える。2020/05/26

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