内容説明
退屈なのは、見方がわるかった!今までになかった「伝統芸能入門」。
目次
あるいは「風」について(橋本治)
薩摩琵琶(白鷺譚(橋本治作)
対談「残すのはあなたの仕事なんですよ」(橋本治×友吉鶴心))
講談(ものいふ髑髏(夢枕獏原作・宝井馬琴口演)
対談・語る苦労、書く苦労(夢枕獏×宝井馬琴))
狂言(鏡冠者(いとうせいこう作)
対談・狂言の笑いは「キュートなナンセンス」(いとうせいこう×野村万斎))
著者等紹介
橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京生まれ。「桃尻娘」などの現代小説をはじめ、評論・エッセイまで幅広く執筆。「桃尻語訳 枕草子」「窯変 源氏物語」に続き、現在は「双調 平家物語」を手がけている
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年神奈川県生まれ。「陰陽師」シリーズなどの小説を手がける一方、坂東玉三郎との新作歌舞伎、「平成講釈 安部晴明伝」など古典芸能にも意欲的に取り組んでいる
いとうせいこう[イトウセイコウ]
1961年東京生まれ。エッセイや小説などの執筆だけでなく、舞台、テレビでも活躍。みうらじゅんとの共著「見仏記」シリーズでは、仏像見物のディープな世界を描き、人気を博している
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感想・レビュー
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カザリ
54
橋本治さんの冒頭エッセイ、日本の伝統芸能は風景である、という論に色々な面で救われた。夢枕獏の小説を読んでいて、池波もそうなんだけど、風景の中に匂い立つ色気のある描写があり、それが日本人の感性なんだと知った思い。(遅いw)私は五感に訴える描写を目指していて、それが歌舞伎や能となんとなくつながっていて、獏や池波にも通じていて、それがこの本でつながってしまって、自分にびっくりした。。狭い世界や。。笑2014/10/19
さっちゃん
19
より興味を掻き立てられた。狂言について知りたいと読みだしたが、冒頭の雅楽の楽しみかたから古典芸能についてのいくつもの「?」が「!」になった。表現の客観性については深く納得。何よりもっと知りたいという気持ちになったし、舞台も観たい。一番最初にこの本に出会えたことに感謝。2016/05/04
tama
8
他市図書館からお取寄せ 映画観に行った帰りに浜松図書館に入り書架で見つけ、後日借りた。大掘出物!書名からは内容が全く分からない。古典芸能の第一人者に現代作家の作品を演じてもらう。その台本と事後の対談。橋本治vs薩摩琵琶は激烈!「西洋の古典音楽は音に音を重ねて表現。日本では墨絵のように音の中に音を求める」「自分の感情を言うのが舞台上の人間がするべきこと、は大間違い」。いとうせいこうvs野村萬斎「装束を付けたら覚悟を決めるので、舞台でない楽屋での待機でも余計な動きを全部止める」。前書き「雅楽は風景」!そうか!2016/10/18
galoisbaobab
4
能を雪月花と同様の「風景」と認識することは腑に落ちるなー。能舞台が木々がざわめき美しく紅葉する場所にあったら、、、と想像してみよう。現代的なハコの中に押し込められたとき失ってしまう価値もあるのだ。 薩摩琵琶、講談、狂言という日本の伝統芸能を橋本治x友吉鶴心、宝井馬琴x夢枕獏、いとうせいこうx野村萬斎という組み合わせで!という企画がはるか昔にあったのね。。。深く「言霊」を理解する作家の本たちがすばらしいね!2014/11/24
茶坊主
2
友達が読んでたので。 それぞれの作家が、古典芸能の新作を創作したあと、それぞれの演者と対談する、という形式。 言葉を操る、作家ならではの視点と、それぞれの第一人者の視点、見事な化学反応を起こして、読みごたえ十分。 2016/11/05