精選復刻紀伊国屋新書<br> サルトルとマルクス主義 - 『弁証法的理性批判』をめぐって

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精選復刻紀伊国屋新書
サルトルとマルクス主義 - 『弁証法的理性批判』をめぐって

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  • サイズ B6判/ページ数 198p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314006590
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C1310

出版社内容情報

細分化し専門化してゆくブルジョア的思惟つまり〈分析的理性〉と,人間の全体性を保障する〈弁証法的理性〉を峻別し,後者によって新しい人間学の土台を築こうとしたサルトルの『弁証法的理性批判』。本書は,この未完の大著を独自の解釈によって体系づけ,サルトルの思想とマルクス主義との接点を明らかにし,そこから現代の思想的課題を提出しようとする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ブルーツ・リー

5
再読。かつて何を言ったかまるで覚えていないが、最近になって、ようやく哲学書を本気で読むようになったため、今回が事実上初めての読了。 マルクス主義は本来唯物論であると思っていたのだが、その後実在論に転じた時期もあったらしい。 実在論は、二元論だから、最早、唯物論ではあり得ず、唯物論から離れた共産主義というものがどういうものなのか、計りかねた。 著者によれば、「進化したマルクス主義」との事で、これによって、物的に捉えるのみではなく、身体、が、生じたのだ、との事。 まだ私には難解である。2022/04/10

うえ

4
弁証法的理性批判の一巻が出て五年後に出された本。ソ連のマルクス主義を一応は肯定しつつ「マルクス主義のマルクス主義」を行うことによってソ連のマルクス主義を超えようという試みのようだ。あまり意味のない試みだったのでは。「科学は弁証法的ではないし、それにソ連の出現まではひたすらブルジョア的でしかなかったのであり、そして今日では、これこそがブルジョア科学者とソ連科学者との完全に一致できる唯一の地盤となっている」2022/05/10

ブルーツ・リー

3
再読。 何と、現代に置いて、個人主義の根拠とされているサルトルの哲学が、全体主義を指向するものであるという衝撃の書。 確かに、サルトル自身もマルクス主義に言及しているし、生涯に置いて、マルクス主義への接近があった事も事実ではある。 「社会」に基盤を置きながら左派的な言動をしてしまうと、確かに共産主義への接近も分からないではないが、しかしあくまでサルトルは、個。というものに重きを置いていたように、個人的には思われ、全体主義とは矛盾があるのではないかと考える。 著者の左翼的な主張に相当引きずられた内容だろう。2023/10/30

ブルーツ・リー

2
こちらも難解だったが、つまりサルトルは、マルクス思想の後継者という事でいいのだろうか。 二元論は否定され、唯物論的一元論を展開した思想という事か? 純粋な思想とは異なり、人間に認識できるのは形而上の出来事ではなくて、社会なり、歴史なり、であって、今現在、社会や歴史に何某かの行動を起こし、これからの社会や歴史を変えて行く、という、実際的、現実的な思想を、マルクスから更に発展させた人物がサルトルという事なのだろうか。 正直、少しレベルを下げたこの本でも、まだ分からない。 更に初学者向けの本に当たってみたい。2021/02/10

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