出版社内容情報
現代生活の重苦しい呪縛を解き放ち,「生命の喜び」を回復する道はないか。日常生活の周りにひそむ実体論的思考法に痛撃を与え,ここに丸山流文化論・人間論をやさしいことばで語りかける。とりわけ,ソシュールの「狂気」の原因と目されるアナグラムに挑み,意識の深層におけるコトバの姿を取り出すところは圧巻。「キー・ワードの解説」付き。
内容説明
「現代」生活を送る人間は、貨幣や商品や、様々な欲望対象によってますますがんじがらめに呪縛され、また氾濫する情報や諸観念によって硬直化した精神生活を強いられているかにみえる。こうした状況にあって、私たちは「生命の喜び」をいかにして回復できるのだろうか。『文化のフェティシズム』を出発点に、いまや独自の思想を形成し始めた著者は、ここに身近な日常生活の周りにひそむ惰性化し硬直化した様々な〈実体論の罠〉を抉り出し、流動化した生命の動きを回復するための方向性を示す。さらに最終章で、ソシュールの謎の沈黙と「狂気」の原因と目されるアナグラムに挑み、意識の深層におけるコトバの姿を取り出すところは圧巻である。やさしいことばで語りかけるように、著者の文化論、人間論、生命論を説いている。
目次
1 フェティシズムと快楽
2〈近代〉批判のメリットと限界
3 コトバと文化
4 アナグラムと無意識