内容説明
第2次大戦後、ピアジェの主要な関心は「発生的識認論」に向かったが、それによってピアジェの研究さらに一般化し、新しい洞察や発見を含むことになった。そして晩年彼は子どもの知的・認識的発達のメカニズムと進化のメカニズムとの類似性を指摘するにいたった。この考えをさらに進め、それを証明するために、多くの実例をあげ進化の諸理論に比較を加えたのが本書である。進化にとって「行動」がいかに重要な働きをもっているかを明らかにする本書は、ピアジェの晩年の最重要著作といえよう。
目次
第1章 ラマルク説の価値と問題点
第2章 ボールドウィンと有機的選択
第3章 比較行動学からみた行動の進化的役割
第4章 サイバネティックス的相互作用、《遺伝的同化》および行動
第5章 行動とポール・ワイスによるシステムの階層について
第6章 環境作用と行動の遺伝的要因との媒介者としての表現形模写
第7章 進化の問題にかかわる本能の問題についての心理・生物学的思索
第8章 植物の行動についての考察
第9章 総括的結論:進化の動因としての行動