Kawade mystery
物しか書けなかった物書き

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  • サイズ B6判/ページ数 354p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309801032
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

“天然おとぼけ流”トゥーイの奇妙な世界、死体が歩き、馬がいななく!オフビート・ミステリの異才、登場。タイプしたものが物質化する怪現象に遭遇したアル中気味のシナリオライター、自分をお払い箱にしようとする作者の企みに抵抗する小説中の私立探偵、帰宅途中、死体にヒッチハイクされた男のたどる奇妙な運命…不条理なまでのナンセンス・ユーモアと巧みなストーリーテリングで読者をキリキリ舞いさせるクセ球作家トゥーイの短篇傑作集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

本木英朗

22
死体が歩き、馬がいななく! オフビート・ミステリの異才、ロバート・トゥーイの短編集がこの作品である。編集は法月綸太郎だ。俺は2007年4月に一度読んでいた。というわけで今回で2回目である。「おきまりの捜査」から始まって「オーハイで朝食を」まで14編を収録している。どれもこれも素晴らしいが、ここはやはり「物しか書けなかった物書き」だろうか。小鷹信光の編訳もよかったねえ。作者自身を戯画化したと思しきアル中の貧乏ライターが、酩酊しながら書いた「物」を現実化してしまう超能力を身に着けて……という感じ。2019/12/24

ぱせり

14
法月綸太郎さんは巻末の解説で、この短編集を野球のナックルボールに例えます。なるほどです。どう変化するかわからないし、どこで脱力させられるかも謎なのです。そこかあ、と思うけれど、その着地点があまりに鮮やかで、見事で、やられたぁと、ただ拍手。いっぺんに読むと毒気にあてられそう。ちびりちびり読むのが楽しかった。2012/06/25

紅はこべ

12
法螺吹き男のジャック・モアマン、ハードボイルドのパロディ、生きている死者ものなどが良かった。2008/02/09

きゅー

11
これは実に愉しい一冊だった。警察が登場して事件を解決させようとする物語が多いけど、ミステリと一概にジャンル分けできるものは少なく、ホラ話、シリアスな話、ホラー、ゾンビもの、ハードボイルドと多様な小話が収録されているので、まったく飽きない。それぞれの物語の個性も強く、かなり強烈にピリリと刺激があるのも嬉しい。特に良かったのは「支払い期日が過ぎて」。サキが好きな方なら絶対楽しめるホラ話。あとはゾンビものの「予定変更」。これはサスペンスフルな展開にわくわくさせられた。2012/10/05

くさてる

7
ちょっと変わった味つけ、その味も様々に取り揃えられている、という短編集。奇妙な味というか脱ミステリというか。個人的には、マフィアで働くことを志願する若者が迫られた試験…がとてもせつなかった「そこは空気も澄んで」く、とんでもない内容なんだけど読んでいると変に納得させられて、そのまま落ちまで持っていかれてしまった「物しか書けなかった物書き」が印象に残りました。2014/03/26

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