内容説明
カルパチアの保養地で毛皮の似合う美しい貴婦人と出会った青年は、残酷なヴィーナスに足げにされ鞭打たれる喜びを発見する。二人はフィレンツェに旅し、青年は婦人の奴隷になる契約を結ぶが、彼女に接近するギリシア人の出現に新たな苦悩の快楽を体験する―マゾヒズムの性愛を幻想的な世界に昇華させ、サドと並び称されるザッヘル=マゾッホの傑作長編小説。
著者等紹介
ザッヘル=マゾッホ,レーオポルト・フォン[ザッヘルマゾッホ,レーオポルトフォン][Sacher‐Masoch,Leopold von]
1836‐95年。オーストリアの東端、帝室領ガリツィア生まれの作家。マゾヒズムの語源を生み出した代表作である『毛皮を着たヴィーナス』のほか、短編集『残酷な女たち』と、『密使』『ガリツィア物語集』『コロメアのドン・ジュアン』など故郷ガリツィアや東欧を舞台にした多数の歴史小説を残した
種村季弘[タネムラスエヒロ]
1933年、東京生まれ。東京大学独文科卒。ドイツ文学者、翻訳家、エッセイスト
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