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河出文庫
風のかたみ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 413p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309413884
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

萩姫を恋い慕う若者。蔵人の少将に惹かれる萩姫。若者を好う笛師の娘。綾なす恋の行方は……今昔物語に材を得た王朝ロマンの名作。

福永 武彦[フクナガ タケヒコ]
著・文・その他

内容説明

百鬼夜行の都は今、盗賊が跋扈し、陰陽師が名を高めていた。京に上った若侍、大伴の次郎信親は叔母の忘れ形見、萩姫を恋慕う。だが萩姫は一夜を契った男、安麻呂が忘れられない。笛師の娘、楓は次郎を一途に思う。錯綜する男女の思惑。命を懸けた恋の行方は…今昔物語に材をとった王朝ロマンの名作。

著者等紹介

福永武彦[フクナガタケヒコ]
1918年、福岡県生まれ。作家、詩人、仏文学者。東京帝国大学仏文科卒。61年、『ゴーギャンの世界』で毎日出版文化賞、72年、『死の島』で日本文学大賞を受賞。79年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つねじろう

62
舞台は京都と云うより京の都。時代は平安後期で王侯貴族が栄華を誇り武士と云うよりもののふが登場し陰陽師は暗躍、姫様は直接ご尊顔を拝す事なんかとてもじゃない。御簾越しの香の薫りと衣擦れの音と鈴のような声でメロメロになるそんな雅な感じのお話。そりゃ信濃の国から出てきた田舎者の若者が目が眩んでしまうのは仕方がない。でも周りは福永武彦らしい美しく優しくも優柔不断の中途半端な大人達ばかりで、結局人間の弱さが露呈し破綻する。哀れさや無常観は漂ようけどそれが案外この時代の貴族的倦怠感を表しててそれはそれで良かったりする。2015/08/11

るぴん

34
図書館本。新聞の書評で「名作、復刊」と書かれていたのが気になっていた本。今昔物語をベースにした、平安の恋愛絵巻。信濃の武士・次郎信親は中納言家の萩姫を慕い、萩姫は蔵人少将安麻呂を想い、笛師の娘・楓は信親に恋をする。身分の違いや陰陽師の幻術や百鬼夜行などが絡み合い、盗賊・不動丸の登場で物語はより複雑に面白くなっていく。登場人物達は皆頑固なほど一途で、恋に命懸け。最後は儚さと虚しさが余韻として残る。初めて知る言葉や美しい表現がたくさんあって、勉強になった。2017/07/10

しゅてふぁん

30
今昔物語を材にとった王朝ロマン。今昔物語はほとんど知らないので、どこをどう材に取ったのかはわからなかった…。姫だけではなく貴公子もはかない感じが、平安時代の恋愛モノだなと思う。大宮人をも凌ぐという次郎の笛の音が響く闇夜、和歌を詠み交わす恋。百鬼夜行や陰陽師の世界。いいなぁ、平安時代。盗賊が出たり、鬼が出たり、雅なだけの話ではなかったけれど、王朝ロマンは楽しめた。2017/02/14

21
煌びやかな王朝物の恋愛話と思っていたら、なんとも遣る瀬無い読後感です。誰も幸せになれなかった。切ない。2015/10/08

宇宙猫

19
★★★ 読んだのは古い本。ISBNも無いので読メには無さそうなので、こちらに登録。信濃から京に来た武士の次郎が、主家の姫君に恋をする悲恋。王朝ロマンとのことだが、主人公が武士のせいか江戸の戯曲か活劇のようだ。久しぶりの旧字体に疲れたのと、少し長くて終わりの方は飽きてきた。D2021/08/04

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