内容説明
会社員、高校生、編集者…面識のない人々が相次いで惨殺された。事件をつなぐのは「アンフェアなのは、誰か」と書かれた本の栞のみ。そんな中、出版社に届けられた原稿には事件の詳細と殺人予告、そして「事件を防ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」という要求が書かれていた…最注目作家、驚愕のデビュー作。
著者等紹介
秦建日子[ハタタケヒコ]
小説家・劇作家・演出家・シナリオライター。1968年生まれ。97年より作家活動。2004年、『推理小説』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
275
入り込み易い本ではないが、面白い。推理小説とは何かを問うメタ推理小説。世間にいい顔を向け繕うことが出来ず、苦しい道を歩んだ女と男。やがて惹かれあう2人。犯人はだいたいわかってしまうが、ミステリは本書のキモではない。前半は出版業界自虐ネタばかりで、評判の割りにつまらない話だなと思ったが、後半のための準備だった。重要な2人のキャラが際立った。似たような二人は根本が違っていた。ドラマは観てないがこの話は小説で読むべきだ。犯人を知ってても面白いのではないかと思う。2019/03/06
ALATA
108
「アンフェアなのは、誰か」これから始まる事件には読者に多くの情報が開示され、フェアプレーの精神で挑戦が始まる。犯人探しの形態を取り、リアリティを追求する雪平刑事に没入してしまった。「無駄に美人」安藤が振り回され、次第に気になる存在に。叙述トリックもあり、軽快なエンタメ作品として堪能させていただいた。★4※秦健日子、初読み作家さん。ある意味作者の名前が一番アンフェアなのかも😅2022/02/16
Shinji
108
秦建日子さん、初読みでした。ドラマも映画も見てませんが雪平のイメージは篠原涼子さんで固定。 視点がコロコロと代わる部分や文中小説のインサートがあっていささか集中出来ずにいましたが、犯人探しとして面白かったですね! 雪平刑事のカッコよさが際立っていた分他の登場人物が目立たなかったのが残念。…ということはドラマや映画に向いている作品なんでしょうね。ドラマ観てみたいです♪2016/05/17
イアン
106
★★★★★★★☆☆☆2021年のラストはドラマ「アンフェア」原作の雪平夏見シリーズ第1弾。都内で連続殺人が発生し、その状況を克明に記した「推理小説・上巻」の存在が明らかとなる。その後、警察を嘲笑うように次回犯行予告と下巻の落札要求が届き…。無駄に美人な敏腕刑事・雪平と従順な相棒・安藤のコンビがいい。作中で推理小説におけるルール(犯人は当初から登場している人物でなければならないなど)をリアリティがないと批判しながら、しっかりこれを守っている所が微笑ましい。最もリアリティがないのは全裸上等の美人刑事の存在か。2021/12/30
キングベルⅩ世
83
バツイチの女性刑事・雪平と相棒の安藤が連続殺人事件を追うミステリー。ドラマの再放送に影響されて早速手に取ってみたが、ドラマ見てない方が楽しめたな、コレは。そのままドラマの脚本と言われても納得。というよりミステリーっぽさや警察小説らしさが良くも悪くもない。警察内での女性の立場云々とか階級社会が~!とか仲間意識とかそういうのとは無縁だし、事件や雪平自体はブラックなのに非常に軽く読める。ラストはそれしかないだろうなという落とし所に落ちてるのでスッキリ。2015/04/06