河出文庫<br> 聖月夜

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河出文庫
聖月夜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 171p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309404295
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

170
なんとも長野さんらしいクリスマスを描いた、夢のようにふうわりとした4篇の掌編集。「星降る夜のクリスマス」が断トツで一番好き。静かに星の降る聖夜、誰もいないひっそりとした遊園地。降誕祭だけは夜中動く観覧車。「紺青の夜天に、イルミネエションを鏤めた蜘蛛の巣」、どこまでも透明な紅いバラの砂糖菓子と雪。 子どもの頃に夢みた絵本のあたたかで幸せなクリスマスのような。どこまでも透き通って美しく、唐突な残酷さも相まったりして少しこわいような。夢のようなクリスマス。大切な飴細工を分けてもらったような、聖なる月の夜。2018/12/24

みも

135
著者ご自身によるあとがきに語られるノスタルジー…著者と同世代とも言える僕には、その懐古の情がよく分かる。そこには幼心をときめかせた僕自身がいる。傷つきやすいピュアな心を震わせたそんな時間と空間を、僕はどこかに置き忘れてきた。遠い記憶の輝きを呼び覚ますクリスマス短編集。その筆致は絵本をなぞるような優しさに満ち、キラキラしながら透き通る。クリスマスが見せてくれる奇跡は幼子の心をノックし、呼び掛ける。小さなケーキのような作品達。大人には少し甘いけど、時々は味わいたい。大人の心をまっさらにしてくれる魔法の言葉達。2019/12/24

(C17H26O4)

99
ページの余白に星が降る。行と行の間には降誕祭の街角の景色が。少年フラノと共にゆけば紺青の夜天に観覧車のイルミネーション。観覧車の窓からはシリウスが。天使の囁きが。そして。天使が羽を震わせた。雪が。ミランと一緒にわたしも見ていた。わたしのポケットにもバラの砂糖菓子があればいいのに。子供の頃の懐かしい思い出の輪郭が優しく光っている。そんな情景を見たようで、静かで暖かな気持ちに包まれる。2019/12/13

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

95
86/100点 帯に"降誕祭の夜空に紡がれる、素敵な物語を集めた夢のおはなし集"とあるように、クリスマスに読むのにピッタリな4話の短編集。児童書のような雰囲気を持った中に、長野さん独特の幻想的な空気感は残ったままで、ほっこりとした温かさも感じることのできる作品集になっていました。その中でクリスマスそのものという「星降る夜のクリスマス」が一番好みで面白かったかな。ファンタジー感溢れる「少年アリス 三月うさぎのお茶会へ行く」も非常に面白く、未読の『少年アリス』もぜひ読んでみたくなりました。2018/12/25

ちょろこ

89
クリスマスの夜の夢のような一冊。紺青の夜天と紅いバラの砂糖菓子が印象的な「星降る夜のクリスマス」そして、ニッケル月の煌めきとシロウサギの導きが素敵な夜の「少年アリス 三月うさぎのお茶会へ行く」が特にファンタジー感溢れ可愛らしい。まるで子どもたちが見るクリスマスの夜の夢をそっとのぞいているような世界だった。長野さんの紡ぎだす言葉はいつだって美しい煌めきを感じ、いつだってひとつ残らず拾い集めたくなる、そんな気持ちにたまらなくさせられる長野さんの描くどこか不思議で美しい世界が好き。2018/12/24

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