河出文庫<br> エロスの解剖

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河出文庫
エロスの解剖

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784309402772
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0195

内容説明

ヨーロッパで使用された姦通防止用の奇妙な道具〈貞操帯〉に関するさまざまなエピソードを収集した「女神の帯について」。乳房に関する男性のエロティックな趣味の変化から、男性の〈乳房コンプレックス〉を考察する「乳房について」。ポルノグラフィーについてその豊かな知識を披露する「エロティック図書館めぐり」など16篇を収録した。エロティシズムをめぐるエッセイ集。

目次

女神の帯について
オルガスムについて
性とは何か
コンプレックスについて
近親相姦について
愛の詩について
優雅な屍体について
サド=マゾヒズムについて
ホモ・ビオロギグス
オナンの末裔たち
乳房について
ドン・ジュアンの顔
エロティック図書館めぐり
ピエール・アンジエリック『エドワルダ夫人』について
玩具考
マンドラゴラについて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

190
冒頭の「女の性とは、一言をもって定義するならば、欲望されるところのものである」は、昨今の認識からすれば古さを否めないだろう。それは、あまりにも男性の側からの視点でのみ語られているからだ。エロティシズムは、もはや男性原理からだけでは語れない。もっとも、そうした時代的な限界を別にすれば、この書物の、いつもながらの恐るべき博覧強記は読書の楽しみを満喫させてくれる。パラケルススには、もはや驚かないが、古代の中国からアラビアまで実に縦横無尽。13世紀のラティーニの『百科宝典』なんて、どこから見つけてくるのだろうか。2014/11/04

青蓮

106
数年ぶりに再読。内容の古さは否めないものの、精神分析、生物学、神話、文学などを引き合いに、縦横無尽に澁澤龍彦が語るエロティシズム・エッセイ。澁澤氏の博識ぶりに驚かされるのと同時に人間がもつ性への幻想は幅広く、とても奥が深いものだなと感じました。中でもホモ・ビオロギクス(生物学的人間)についてのエッセイが興味深い。科学技術の発展に伴い、生命誕生の神秘のベールが剥ぎ取られていく現代において最後に乗り越えなければならないのは「倫理」と言う難題だ。アンチ・ヒューマニズムは実現され得ないと澁澤氏は語るが、果たして。2016/10/14

里愛乍

33
赤裸々な言葉も内容も、これは文体のせいだろうか全くの猥褻みを感じない。むしろ高度な論議を受けている気分になる。尤もそういう意図で書かれているのだろう、あからさまな性表現は苦手なのだが、豊富な知識と語彙力で非常に気持ちよく読めた。あと、様々なコンプレックスについてこれもなかなか興味深い。意味と語源、とても詳しく簡潔にまとめられていてここの知識はそっくりいただきたいと思った。マンドラゴラについては昔読んだ漫画『エコエコアザラク』を思い出す。2018/03/04

メタボン

25
☆☆☆☆ どんだけ博学なんだ澁澤龍彦。人間にとって一番関心があるであろう「性」をテーマに、あらゆる時代、あらゆる国の史実、書を題材に、良質な講義を繰り広げる。エロティック図書館めぐりは何だかワクワクしたし、乳房に関する考察はゾクゾクしたし、マンドラゴラに関する言及もなかなかに味わい深いものだった。2018/09/26

たみ

19
世の中にはたくさんのコンプレックスの名前があるのですねえ。ブルータス・コンプレックスなんてのもあるんですねえ…お前もかいっ! あんまりにも沢山あるのでそんなに分類して名前つけなくても良いんじゃ…とついつい思ってしまいます。そういえば小説もそんなにジャンル分けしなくても…と時々思ってしまいます。何をエロティックに思うのかは小説の好みと同じく人によって違うものなんでしょう、私が考えるエロスの特攻隊長は「抑制」なので著者の生物学的ユートピアは??でした。濃い内容だったのでお腹いっぱいです、ふひ~。2016/03/15

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