河出文庫<br> 花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈上〉

河出文庫
花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784309400686
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0176

内容説明

まったく新しい「ひょうろん」の世界を拓く初めての「少女マンガ」論。この世にしっかり存在しているのに存在していないように扱われている世界を、存在してはならない言葉だと思われているのに、しっかり現実の言葉として生きている文章で明解にこの世に存在させてしまった恐ろしい本。少女マンガの天才たちがいかに現代日本文化の中心にかかわっているか。

目次

失われた水分を求めて―倉多江美論
眠りの中へ…―萩尾望都論
世界を変えた唇―大矢ちき論
妖精王国女皇紀―山岸凉子論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaoru

15
橋本治さんが亡くなったので読み返す。著名な男性で少女漫画を語れたのは寺山修司さんと橋本さんかな、と思う。「萩尾望都は金色の夢。永遠に滅び去った金色の世界。そして、萩尾望都は目を瞑った時、世界は滅んだのだ」といった名文が美しい。山岸涼子を語る「妖精王國女皇記」で名作『アラベスク』の登場人物カリン・ルービツを解説する鋭さに驚き、カリンが『妖精王』のクイーン・マブに引き継がれるという分析にも唸った。一時代を築いた漫画家たちに対するオマージュであるばかりでなく、優れた女性論でもあると思う。2019/02/11

阿部義彦

10
とらじゃ、めりた、かりた、居ましたねえ。ムフフ。永久保存版の名著、この版にて初めて著者自身の手による後書きが付きました。買うしかないですぞ!すべての章で文体が違います。あなたの次の言葉はなあに?洞察力劣る!わかる人にしか分からない評論集。2015/08/19

駒場

3
とりあえず山岸凉子論だけ。「日出処の天子」「天人唐草」しか読んでいないのを悔やんだ。/少年たちの性の始まりが快楽によって告げられるのとは違い、少女たちの性は単に一つの“事実”として始まる。それは唐突に訪れる忌まわしくも赤い血であり、脈絡不明に押し付けられたその“事実”がもたらすものは屈辱である/「天人唐草」が提出されることに因って、少女もまた性を持つという“常識”が読者の間に定着させられた/正当なものとして少女が性を手にした/2012/09/24

還暦院erk

2
久々の再読。えらく時間がかかってしまった。第Ⅰ章倉田江美論。作品は持ってないがなぜか懐かしい…。第Ⅱ章で取り上げられている萩尾漫画は蔵書にかなりあるので、初期作品集から再読したくなってしまった。pp77-86あたり、橋本さんの戦後子ども(家庭)論の説得力が半端無い!第Ⅲ章は一転しておふざけ風文体で大矢ちきなどを題材にした評論。わたし、『おじゃまさんリュリュ』再読しすぎてコミックス傷んで買い直したなぁ昔。で第Ⅳ章、山岸涼子論。出た出た『天人唐草』!まぁこの評論だけは少々引っかかりを感じたかも。2012/11/20

蒼1228

2
卒論で必要なので古書を探しまくってようやく発見! 後編と併せて読んで圧倒される。こういうやつが少女小説でも出てくれるといいのになあ2009/12/13

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