出版社内容情報
ルクレチア・ボルジア、エリザベト・バートリなど、史上名高い悪女たちの魔性にみいられた悪虐非道の生涯を物語りながら、女の本性、悪の本質を浮き彫りにするベストセラーエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
144
かなり前に読んだきりだったので再読。澁澤氏が悪女と認定した女性達はやっぱり残酷非道極まりない方々が多い(笑)その残酷さは激しい孤独感や疎外感、人間不信や嫉妬、美しかったからこそ自分の老いを受け入れられない哀しみなど、心の底には憎しみよりも哀しみ、寂しさのほうが強くあったのではないかと思う。この本の中で挙げられた中では、やはりエリザベートの狂気が一番恐ろしい。どこかで螺子が吹き飛んでエスカレートしていったのだろうけれど、澁澤氏はゾクゾクしながらそんな彼女達の悪事を楽しそうに語っていた。そこがまた興味深い。 2014/05/11
優希
68
古今東西の悪女が勢揃いしています。魔性の命ずるままに行った行為は正に悪徳ですね。愛欲、欲望、殺人、破壊を繰り返す様子に残虐さを感じます。日本でも淀殿や日野富子のような悪女はいますが、スケールが違います。本当の悪女を見た気がします。 悪女とは何かを問う、非常に興味深い本でした。2014/12/02
ほりん
49
いったんスイッチが入ってしまうと(切れてしまうと?)、人間(女?)はどこまでも残虐になってしまうことがあるらしい。その非情さたるや、言葉を失う。歴史上の有名人ばかりだが、どの人物もその姿がありありと目に見えるよう。豊富な知識に裏打ちされた赤裸々な描写に、圧倒されながら読んだ。エリザベス女王とメアリ・スチュアートが印象的だった。2016/04/04
鱒子
36
再読。歴史上の悪女にスポットを当てた本。12人の女性が紹介されています。全ての話にロマンチックな色香があります。私は一時期、澁澤龍彦にハマっていました。大分昔の事ですけれど。この本は、そのきっかけとなった本で、今でも大好きです。以前出版された時の表紙は、セピアっぽい色でした。そちらの方が妖しい感じがして好きです。2017/02/23
拓也 ◆mOrYeBoQbw
30
エッセイ集。澁澤龍彦が紀元前から20世紀まで古今東西の悪女を語っています。記録や伝説による悪行や放蕩の数々から、人物によっては史実、実像に迫る澁澤氏の分析などもあり、エッセイと言うより下手なフィクションよりも幻想的で耽美、陰惨な世界が繰り広げられるオムニバスのようです。エッセイはそれぞれの女性の死(あるいは処刑)まで描かれますが、いずれの締めくくりも、澁澤氏のこだわりが見られて必読だと思います~(・ω・)ノシ2016/02/16