リアルの倫理―カントとラカン

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  • サイズ B6判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309242811
  • NDC分類 150.4
  • Cコード C0012

内容説明

倫理と「善」を断絶させる。ジジェク派のカント論=倫理論の到達点。

目次

第1章 日常生活の(道徳)精神病理学
第2章 「自由」の主体
第3章 嘘
第4章 逆さの花瓶―不死の魂、そして神
第5章 善と悪
第6章 悪―文学編
第7章 道徳律と超自我
第8章 悲劇、そして精神分析の倫理
第9章 それゆえ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

18
欲望から欲動へ、ってのは語弊があるなあとおもう。人物(アンティゴネーとかシーニュとか)やその行為を〈倫理〉のモデルとしてるのも、本書の弱点。精神分析の基本的な倫理的座標は「昇華」であり、反対に「死の欲動」の方向がある。それらが、メビウスの輪のようにどこかで繋がっているのを記述したのが、ラカンの『精神分析の倫理』。メビウスの輪をひっくり返すと、ヒトラーの根源悪とアイヒマンの凡庸な悪も裏側で繋がっているのがみえてくる。死の欲動はあくまで(避けられない)通過点にすぎない。悪を避けると悪に陥るのが、われらの世界。2019/11/23

hitotoseno

9
数年前ある外来の哲学者が本邦で流行した。彼はこんな問いを立てて我々の議論欲を掻き立てたのだ。暴走した列車が一人の男に向かって突進していく、あなたにはレールの向きを変えることで彼を救うことができる、しかし、列車の向きを変えた先には五人の男がいる……今や大喜利のネタにしかならないこんな話が、さらにさかのぼること数年前に既にラカン派の哲学者によってより鋭利な思考でもって分析されていたのである。要するにその問題は、どう答えようと剰余を産まざるをえない問いだ、しかし、そこにこそ倫理が萌してくるのである、と。2016/05/07

PukaPuka

5
通り一遍で表層的な倫理感の跋扈する世相に嫌気がさして、何らかの知的刺激を得るために読んでみた。相当面白い本なのだが、一回読んだだけでは部分的にしか理解できない。2017/01/23

歩き

2
ラカン読書の参考にと思ったけど、有限性なわたしたちの無限との関わりが個人的な興味に合って収穫。ある種のデリダ的正義への対抗もあって面白いけれど、デリダが同一性の強さを意識してなかったわけないと思うので課題。欲動へのジャンプはかなり近いように思えたのだが。2013/01/06

aiueo

0
カントとラカン

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