内容説明
現代ドイツの俊英・ヘレスが、古今東西の哲学者が集まる架空のカフェを設定、少女ノーラと文通をする。ノーラが11歳から14歳になるまでの、大人と子どもの哲学書簡を通して、この世界の不思議な矛盾などすべての答えを問い続けた人間の思考の歩みがわかる画期的なノンフィクション。
目次
夢と現実は本当に区別できるのか?
子どもにはなぜ哲学が向いているのか?そしてイデアというものはあるのか?
神は死んだのか?
人間はロボットか?心と体はどんな関係を持つのか?
人間には自由があるのか?
「真理」はあるのか?
理性とは何か?
技術の進歩は世界を滅ぼすのか?〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浮かれ帽子屋
7
本書はひとりの少女とひとりの哲学者が交わした実際の文通であり、それ以外のなんでもない。だが侮ることなかれ。本書は子どもと大人との間で奇跡のように交わされた哲学書簡であり、同時に強烈な個性をもつ哲学書である。少女の名前はノーラ・K。哲学者は現代ドイツの俊英ヴィットリオ・へスレ。古今東西の歴史的哲学者が集う「死してなお永遠に若い哲学者のカフェ」という設定を介して、哲学者は視野を開き少女は思考を繰り広げる。ノーラが11歳から14歳の間に問い続けた数々の命題は、無垢な瞳を通じて映し出された世界の姿にほかならない。2012/07/05
読破
0
手紙形式で進行するため分かりやすかった半面、ある程度哲学者の思想の知識がないと分かりづらいところもある。注釈等あればなあと思う。あとは、神が思想の中心にあるが、それがそもそも共感できないなあと。自分がその年頃だとしても。そこは文化の違いか。とはいえ、少女の思索の道程には大きな驚きがあった。2016/09/26