廊下に植えた林檎の木

廊下に植えた林檎の木

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  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309202525
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

134
風変わりな小説が好きでこれまでいろいろな作品を読んできたが、残雪の小説はその中でも極北と言える。カフカの作品にある夢幻性とユーモアをさらに推し進めた感じ。意味の世界を超えて、破天荒な物語が進んでいく。この破天荒ぶりはマルケスも顔負けと言ったところか。使われている言葉や物語の構造に何か意味があるのかもしれないが、そんなことにはこだわらず、誰もまねができない独創的な物語を楽しんで読んだ。ところどころにはっとするような詩的な描写が挿入される表題作がベスト。2015/12/04

キムチ

50
先日の賞取でハン・ガンが「勝った」個人的に、コリアVSチャイナが無きにしも非ず的。残雪・・これ3冊目.1頁から臭気立ち込め彼女の世界に引きずり込まれる。語彙は似非知識の範疇を軽々と超え中国の大地と空を飛び交う。私と同世代でありつつも天と地の差の境遇で生を紡いでいった彼女。少女期、父親が収監された地の傍らの「独居小屋」で暮らすことを強いられた。その時、それから、彼女の脳内は多面分裂を続け止むことのない時間が流れている。4短編と1中編。最後はオムニバスの様で全く異。わたしから次々目くるめく人物が登場、最後の僕2025/03/28

りー

37
筒井康隆の『パプリカ』は眠って見る夢の脈絡の無さを描いた小説の極致だと僕は思っていて、この小説も分類としてはそういった捕らえ所のない何かではあるのだけれど、残雪の描くそれは夢の中というよりも頭のおかしい隣人とのご近所トラブルに巻き込まれている様な暴力的な意味不明さで、それでいてどこか女性らしい色気を感じさせるというこの感じを何かに譬えるならば『ノルウェイの森』の直子と緑を足して二をかけた様な女といったところで、魅力的ではあるのだけれど深入りしたら破滅する、そんな予感を抱かせる圧倒的な小説世界でした。2016/03/04

Tonex

29
現代中国を代表する女流作家・残雪の短編集。あえてジャンル分けすると幻想文学。この人の小説は初めて読んだが、圧倒的な妄想パワーは他の追随を許さない。昔は「中国の女カフカ」などと言われたこともあったようだが、カフカとは完全に別物。「あっちの世界へ行っちゃってる」感が半端ない。表題作「廊下に植えた林檎の木」は特に妄想の濃度が高い。ある一家の話。内容紹介に《甲羅をつけた昆虫の父。服の中身は冷凍肉の母。茶碗を食べる妹。天井に貼り付いている婚約者。》とあるが、とにかくヘンテコ。2016/02/06

メタボン

28
☆☆ 訳がわからない。マジックリアリズムの系統なのか。山尾悠子を思い出したが、山尾の方が「世界観」があって、まだ読める。残念ながら私にはついていけなかった。2021/08/14

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