内容説明
汚辱の病いに冒された父、そして父を戦火の町に遺棄した息子バタイユ―敬虔な神学生から突如、死と汚穢のエロティシズムに身を委ねたその生涯の謎とは?バタイユ思想の誕生からシュルレアリズムとの確執まで、レリス、マソンらの貴重な証言を交え、若きバタイユ像に迫る。ゴンクール伝記部門賞受賞。
目次
初めに死ありき
「糞ト尿ノアイダニ生マレタ」
「万物の舵を操るのは雷火」
「聖堂は死骸のように横たわる」
「獏のモーラスと老いぼれ婆ァのモスクワ」
磁場
「淫蕩の死の淵」
「最初に目醒める者」
民主共産主義サークル
国家、その亀裂と不幸〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwasabi47
1
アセファル直前まで。良い本と思うが、細かいエピソードが少ないか。2023/10/19
igi_tur@Le livre
0
バタイユ論としても、秀逸。ちくま学芸文庫あたりで文庫化されないかなあ。
0
バタイユのブルトンへの近親憎悪に似た執着はどうだ(その逆もあり得る)恐らく、両者共に自分が所有していないものを見ていたからだ。バタイユはブルトンに共同体の指導者としての資質を、ブルトンはバタイユに理論的な脆弱者を補う思想を(俺は、宮本顕治=ブルトン、中野重治=バタイユと珍説を言いたくなるw)しかし、人民戦線前後のバタイユの切迫感は、もうええわファシズムを超えるには「超ファシズム」で行くところまで行くというさらにギアを上げるのが本当に面白い。2024/02/27