内容説明
ぼくは永いこと眠っていた、目醒めるのを忘れるくらいに。ついに完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
90
全ての謎はここにきて明らかにされます。利己主義の醜さと救われない心と身体が悲しみをたたえていました。記憶が消されたり人格が変わったりしながら物語は紡がれ、それぞれが最期の瞬間を迎えて行くのが何とも言えません。種族の特性、階級、住む世界に縛られたシュイやイオの葛藤が苦しくてたまりませんでした。文字の世界でしか表現できない不思議な空気感は危うくて脆いのに均衡を保つバランスの奇跡であるように思います。陵辱から清らかさへと流れ、静かに散って行く少年たちの切ない生が描かれていました。2016/01/11
凪織
12
各巻少しずつ読むのに間があったせいで登場人物や種族、用語がごちゃごちゃになってしまった。なので解ったような、解らないような…勿体ないことをしてしまった。今度読む機会があったら関係図を作るなりして把握しよう。何度も似たようなシチュエーションが繰り返され、記憶がなくなったり書き換えられたりする少年達のように惑わされた。それぞれの関係は儚く、振り回された少年達が寂しく哀れである。陰謀渦巻く中の、切ない生だった。2015/12/02
さや
5
最終巻。少し謎解きされたけど、解らない部分はまだたくさんあって、頭が混乱しました。哀しいけどなんて美しいんだろう。最後の文が印象的でした。2013/07/14
NayutA
4
長野さんにしては珍しく、色々と明らかになる(それでも解り難い)。醜悪な利己主義、救われない躰と精神、そして最後から想像できる未来は決して明るくなく、面白いが読後感は悪い。世の中が平等でないのは現実と同じ。また、人の死ぬシーンや性的(と思われる)行為を、いつもの"それとなく匂わせる"文章よりもいくらか露骨に書いているのも、この作者には珍しいのではないか。欲望の渦巻く世界に慟哭がきこえる物語。面白いぶん、脳みそは疲れた・・・。2011/07/12
灰音
3
最後までよくわからない感じの終わりかただけど、これはループ系なのか?? 誰かと審議したくなりました。2023/01/03