内容説明
この本は地震学の専門書ではありません。また地震に対する恐怖心をいたずらにかき立てる通俗書でもありません。今から80年前の貴重な経験である関東地震の揺れの真実を明らかにし、一般の人が納得して地震防災を考えられるよう書かれた一般教養書です。
目次
第1章 関東地震による被害の特徴(ワースト一の始まりは一一時五八分三二秒;大きな被害の原因は火災だけ? ほか)
第2章 震源を探る(世界一の観測網で捉えた震動;マグニチュード七・九は本当か? ほか)
第3章 体験談が語る各地の揺れ(体験談こぼれ話;たて続けに三回揺れた東京 ほか)
第4章 震度分布を評価する(揺れの強い場所、弱い場所;被害を今に伝えるもの ほか)
第5章 震災経験を地震とのつき合いに生かす道(震災は繰り返す;過去のデータを大切にできない国の悲劇 ほか)
著者等紹介
武村雅之[タケムラマサユキ]
1952年京都市生まれ。1976年東北大学理学部地球物理学科卒業。1981年東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。1981年鹿島建設株式会社技術研究所入所。1986年同小堀研究室へ異動。2000年同小堀研究室地震地盤研究部部長(現職)。この間、日本地震学会、日本建築学会、土木学会、日本地震工学会の理事や委員、八王子市教育委員会・学校運営連絡協議会委員などを務める
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感想・レビュー
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そのじつ
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震源の位置、断層の大きさ、断層が2カ所で相次いで滑ったこと、一度目の揺れと2度目3度目の揺れで被った家屋の損壊や人々のダメージの記録、学術的な震源地の割り出し法、地震計の方式・精度、当時お上から地震研究を一任されていた学者たちの様子…様々な要素を地震学者がひもといた一冊。地震のメカニズムについて大まかに理解。地震が起こった時、何が必要とされたのか→情報、情報が遮断された環境がひとに何をさせるのか→歴史が実正。切れ端状態だが、大地震について様々な手がかりを得られた。2012/10/08
kwy8791
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書名通り。東京市の揺れと全壊・半壊率などのデータを元に、なぜこの場所は揺れが大きい/小さいのかといったようなことを解析した一冊2011/05/31