内容説明
マスプロダクションのなかで、人目をひく「刺激的」なだけのデザインがまかりとおり、経済合理性と生産の論理優先で、不必要なだけでなく有害な製品が地球を汚しつづけている。著者パパネックは、このようなデザインの現状にまっ向から異議を唱え、われわれが真に必要としているものを探り、豊かな思考に支えられた数多くのデザインを生み出し、問題提起をしてきた。つねに、それを使う人間と、それが作られる状況、そして使われる環境を考える、著者独自の「生態学的デザイン」をさらに発展させた本書は、現在の地球環境がおかれた危機的状況に対する警鐘と提言に満ちている。
目次
はじめに デザインの力
第1章 今日あって、明日消える?
第2章 より安全な将来のためのデザイン
第3章 デザインにおける精神性にむかって
第4章 住居を感ずる
第5章 コミュニティの生物工学
第6章 ヴァナキュラー建築の教訓
第7章 形態は楽しさから生まれる
第8章 便利さは敵か?
第9章 買わずに使い合おう
第10章 きたるべき世代
第11章 世界で最高のデザイナー?
第12章 新しい美学―将来の作品を造ること