内容説明
本書は、著者がこれまで展開してきた建築や都市に関する理論と、まちづくりへの実験的な適応例がまとめられた実践の書であり、また、初めて彼について学ぶ学生や、まちづくりに興味のある一般の人達にとっては格好の入門書にもなっている。
目次
第1部 理論(成長する全体という概念;最優先のルール;成長のための7つのルール)
第2部 実験
第3部 評価
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サラダボウル
11
専門的でわからなかった‥。建築家である著者の関わった日本の高校を見た事があり、気になっていて。関東の郊外。2階建の小さな木造小屋が並び、教室との事。広大な緑豊かな敷地の中央に川が悠々と流れる。こんな高校あるのか!と驚いた。進学校ではない様子だが、生徒が羨ましいと思った。創立者:常に子どもと共にあれ 子どもには必ず光るものがある 子どもの可能性を信じよ 子どもに希望を持たせよ 鋳型にはめるものではない 育てるのだ 怒るな あらん限り褒めよ 謙虚であれ 怖れをもて 子どもを買い被るな‥ 。すごい人は色々いる。2020/03/29
LM
1
【通読】全体性を感じ取りながら、上からの押しつけにならないようにまちづくりをするためにはどうするかという本。アレグザンダーは全体性を感じ取る方法を、第2部「実験」で具体例を通じて書いているのだが、建築に明るくないため今ひとつイメージが湧かなかった。しかし、明らかに街にそぐわない建物(E.g. 新国立競技場のザハ案で紛糾したように)というのはあるし、主張には納得させられる。ただ、やはりホーリスティックな手法というのは門外漢に理解するのは難しい。ドウォーキンの法理論のようなものか。2021/05/21
y_yasuda
0
「パタン・ランゲージ」が高いので手軽なこちらで済ませた。まちづくりの理論と実戦と評価で構成された本書。自らの理論のどれが不十分なのかは把握しているようだが、自己評価が甘くて、形容的で、何をもってそう評価しているのかが不明確だった。しかし、成長的全体性をもったまちづくりのための示唆に富むルール群があり、それは非常に有益だった。組織的構造物を設計する際に、部分と全体のフェーズをどう行き来すればよいかのヒントになる。2013/08/28
cosmogarden
0
(建築、都市の)理論家としてアレグザンダーに興味を持ち、初めて読んだものがこの本。理論の説明、必要性などが前半部において抽象的に、厳密に語られており、後半部ではそれを実験において具体的に適応させていきながら、問題点を提示しつつ、今後への展開を窺わせている。理論を適応させる形で彼の目指している都市の「形態」には接近、あるいは到達できるだろうが、重要なことは、彼が言うようにそこに「質」がどう浮かび上がるかではないだろうか。都市、建築が持つ「質」のための理論。2011/09/25
ほーらん
0
まちにおける中心の重要性が語られていて、その中心が形成されるプロセスが記されている。 明確なビジョンを持ち、そこで何が行われるのか、何を作るのかをはっきりとさせた上で都市に中心を据えその全体をデザインしていく。 色々な本に書いてあるように、トップダウン形式の都市づくりではなくセミラチスな構造を持つようなイキイキとした都市を作る、そうする事で様々な行為、コミュニティがシステマティックに混じり合う都市を再定義出来るのである。2021/07/13