内容説明
本書はル・コルビュジエの作品が生まれた当時の、まさに激動の時代について幅広く論ずる。そうすることでル・コルビュジエがいかにして新しい哲学やアヴァンギャルド、社会や政治の動き、テクノロジーの発展といったことを自らの文脈にとりこみ、みごとに統合させていったかが見えてくる。しかし、同時に現れてくるのはこれらの変革を構想し、促し、かたちにした創造者としての姿である。ル・コルビュジエは20世紀の建築家であると同時に、人間の創造性の原型なのだ。
目次
序 「すべては建築である」
第1章 「観察すること、それは発見し発明することだ」
第2章 「新時代の道具を鍛造する」
第3章 「宮殿」「シー・スクレーパー」「ヴェルギリウスの夢」
第4章 「過ちと新時代の幕開けのはざまで」
第5章 「小屋」「ボトル棚」「客船」
第6章 「風景の音響学」「光の大砲」
第7章 「石のドラマ」
第8章 「デカルトの構造体」
エピローグ 「すべては海に還る」
著者等紹介
ツォニス,アレグザンダー[ツォニス,アレグザンダー][Tzonis,Alexander]
デルフト工科大学にて建築理論、デザイン方法論の講座の教授を務める。同学の複数の専門分野を総合し、建築の認知作用について研究するDKS(Design Knowledge Systems)のディレクターでもある。また、ガーランド・アーキテクチュラル・アーカイヴスの編集長として、全32巻からなるル・コルビュジエ・アーカイヴスの出版にたずさわった
繁昌朗[ハンジョウアキラ]
建築家。1971年東京都生まれ。東京工業大学大学院修士課程修了。1996~2004年、富永讓+フォルムシステム設計研究所に勤務し「ひらたタウンセンター」(2003年日本建築学会作品賞)などを担当。2004年にatelier FISHを設立。国士舘大学、東京デザイン専門学校非常勤講師。2005年より「日本工業大学百年記念館」の設計に参加。訳書に『近代建築の証言』(共訳、TOTO出版)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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