感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネオジム坊
0
稲垣栄三門下でドイツ意匠論研究の第一人者である杉本俊多が、建築様式史の「周期律」を描く野心的な本。杉本によれば、磯崎新などのポストモダン建築はネオ・マニエリスム、ロイズ・オブ・ロンドンなどのハイテク建築はネオ・ゴシック、ザハなどの脱構築主義建築はネオ・バロック、妹島和世のスーパーフラットやH&deMのミニマリズムはネオ・ロココ的に類比可能であるといいい、120年ごとの理念的類比を考察する。幾分論理的な飛躍はあるだろうが、形態のアレゴリーを周期化しようとする挑戦は特筆に値するだろう。2016/07/05