内容説明
私たちの社会では若者を高く評価し、中年を頂点とし「老人」は死へ向かう下り坂の「集団」と見なされ高齢者一人ひとりのからだの違いや「個人」のアイデンティティは軽視されてきた。この本は、高齢者の尊厳を傷つけられる従来の老人の住まいの発想をこえて高齢者個人のプライバシーを守り、自立をたすけ、地域社会の各世代とつきあえる高齢者向けの住まいとまちづくりの考え方を深く掘り下げている。老年学のエイジング・プロセスの最新成果を取り入れながら、その実践例として、住環境の「名状しがいた無形の質」と高齢者生活の「ノーマライゼーション」を具体化したスウェーデン、デンマーク、そして英国の世界で最良の、高齢者向け居住環境16事例を訪ねて、ビジュアルに紹介した注目の書である。
目次
第1章 住環境の名状しがたい無形の質
第2章 高齢者と加齢プロセス
第3章 住環境、プライバシー、自立
第4章 スウェーデン
第5章 デンマーク
第6章 英国
第7章 将来の方向