感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RIN
30
謎の多い画家フェルメールと『エチカ』で有名な哲学者スピノザを絡めたミステリ。日本版『ダビンチ・コード』を目指したらしい。フェルメールそのものの謎解きというより、もっと大きな彼らの生きた時代、場所の政治的陰謀の物語で、その意味では『ダビンチ・コード』を目指したというのも頷ける。17世紀のオランダを始めとする欧州の歴史に疎いことが逆に幸いして(^_^;)展開は面白かった。ただ、絶望的に主人公(多分。にしては影薄過ぎるが)に魅力がないのが残念。にしても、フェルメールは全方位的に人気者だ(笑)。2017/07/20
inami
25
◉読書 ★3.5 全くもってタイトル買いです。著者は日本のミステリー小説世界に「ダン・ブラウン」の『ダ・ヴィンチ・コード』のような作品を・・という狙いがあったようだが、ミステリー小説に期待をするところの意表を突くような場面はあまりなかった。ただしと言うか、お気に入りの「フェルメール」の絵画の魅力が紹介されていることと、オランダの哲学者「スピノザ(フェルメールと同年生まれ)」との出会いと交流(裏付ける歴史的事実は何も確認されていない)が描かれていて物語としての面白みは感じた。「絵画芸術」に隠された秘密は・・2020/04/14
すみちゃん
15
ダ・ヴィンチコードのフェルメール版ともいえる壮大なスケールの小説。フェルメールとスピノザ、ナチスとロスチャイルド家までも絡めた大胆なストーリー展開に引き込まれました。これを日本人が書いたというのが驚きです。もっと評判になってもいい本だと思います。2013/06/09
KEI
11
フェルメールの生きた時代の史実を、絶妙にミックスして描かれた、壮大な歴史&絵画ミステリー。特に、ヒットラー絡みの話と、フェルメールの代表作が描かれた背景は、『本当に見てきたんじゃないの?』と思える位に、リアル感に溢れていて、とっても楽しめた。中々の良作!2013/04/21
masarumilano
7
絵画ミステリーにナチス・裏金・政治の裏舞台が絡んできて、大変面白かったです。フェルメールの作品を運命の交差点にして、現代人が御先祖様の人生を辿っていくというのは、交易国家のオランダが舞台だからしっくり来たのでしょう。 欧州が舞台だったのに、キリスト教絡みの薀蓄が出てこなかったですね。帯に「ダ・ヴィンチ・コード」とあったので誤解のないようにしてください。 読む際は休日を利用した一気読みをオススメします。特にクライマックスは一気にいかないとチョットきついと思います。じっくり読み込むのは再読以降で十分かと。2013/04/14