出版社内容情報
世界的ロングセラー、バイエル・ピアノ教本。ピアノ導入期から日本文化になった経緯、彼の出自。謎を追い求めたドキュメント。
世界的ベストセラーとして、出版されてから160年間ロングセラーを続けているバイエル・ピアノ教本。ピアノ導入期から日本文化にまでなった経緯、バイエルの出自……実は、まったく謎に包まれているのだ。ふとした疑問から、バイエルの足跡をたどった筆者の記録、日本とドイツ、数年にわたりバイエルを追い求めたドキュメンタリー。
プロローグ バイエル文化の謎/第一の封印:第一章バイエルをめぐる日本人の愛憎~バイエル不在説、長く使われた理由、懐かしい風景、バッシング、偽の伝記/第二章バイエルを日本に持ってきたのは誰だ?~定説、ハイエル・メトデ貳拾冊、エメリース弐拾冊、メーソンに宛てた書簡、音楽院・ピアノ・メソッド、音楽院の便覧、編集したのは誰か/第三章初版はいつ出版されたのか?~ムジカノーヴァ、ホフマイスター音楽図書月刊目録、初版の値段/第四章バイエル偽名説~万国音楽家列伝、酷評、写真の出現/第五章チェルニー・バイエル同一人物説~推薦状、推薦は本物か、原著で裏を取る、したたかな広告/第二の封印:第六章バイエル初版ウィーンでは人気があったバイエル、万霊節、ニュルンベルクのマイスタージンガー、王室音楽御用達出版者/第七章脅威の多作家~ショット社、門外不出、ショット社出版目録、重複した作品番号、バイエル併用曲集/第八章最古のバイエル~ニューオーリンズの初版、教会と市役所と城のある小さな都市、マニュアル、イェール大学/第九章エディション研究~初版復元、姿を現した初版本/第三の封印:第十章静かにした手~バイエル受容史、異常な拡張、模倣、天才ピアノ教育家、レーライン・ピアノ教則本、音楽新報、クララ・シューマン、和音聴音、いろおんぷ、体系/第十一章シュー・クリーム~合本、番外曲、歴史的経緯、お楽しみ曲、整理、解答、第四の封印/第十二章改築申請書~終焉、宣託、死亡証明書、住所録、聖ランペルティ教会、洗礼記録、旅は終わらない/第十三章最後の秘密~新しい情報、先祖の地、プロテスタント教会音楽、断絶、家族の歴史、受け継がれるもの、母と子と、讃美歌集とオルガン、教会歴/エピローグ:百四十八年後の弔辞/巻末写真資料
【著者紹介】
1948年、山口県生まれ。国立音楽大学声楽科卒、同大学院修士課程で音楽美学を専攻。山口芸術短期大学助教授、弘前大学教育学部教授を経て、2001年より奈良教育大学教育学部教授。19世紀、20世紀の環太平洋地域の音楽文化の変遷について研究中。著書に、『唱歌と十字架』(音楽之友社、1993)、『日韓唱歌の源流』(音楽之友社、1999)、『原典による近代唱歌集成』(編集代表、CD30巻+楽譜+資料、ビクターエンタテイメント、2000)、『唱歌という奇跡 十二の物語』(文藝春秋、2003)、『日本の唱歌と太平洋の讃美歌──唱歌誕生はなぜ奇跡だったのか』(奈良教育大学ブックレット第2号、2008)などがある。2001年に第27回放送文化基金賞番組部門個別分野「音響効果賞」、2005年に第35回日本童謡賞特別賞を受賞。奈良市在住。
内容説明
「バイエル」は、日本のピアノ文化にもっとも影響を与えた教則本。なぜバイエルなのか?バイエルとはなにものか?本当に実在したのか?100年以上も「バイエル」を弾き続けてきた日本人と日本の音楽史にとって、画期的な発見。19世紀の「謎の音楽家」バイエルを追って、著者は、アメリカ、ウィーン、ドイツを旅した。バイエルを日本に輸入した人、チェルニー&バイエル同一人物説からバイエル偽名説、初版の存在や、ついに見つけた戸籍簿まで、謎解きはスリリングに展開する。読み応えあるノンフィクション。
目次
プロローグ バイエル文化の謎
第1の封印(バイエルをめぐる日本人の愛憎;バイエルを日本に持ってきたのは誰だ?;初版はいつ出版されたのか?;バイエル偽名説;チェルニー・バイエル同一人物説)
第2の封印(バイエル初版;驚異の多作家;最古のバイエル;エディション研究)
第3の封印(静かにした手;シュークリーム)
第4の封印(改築申請書;最後の秘密)
エピローグ 百四十八年後の弔辞
著者等紹介
安田寛[ヤスダヒロシ]
1948年、山口県生まれ。国立音楽大学声楽科卒、同大学院修士課程で音楽美学を専攻。山口芸術短期大学助教授、弘前大学教育学部教授を経て、2001年より奈良教育大学教育学部教授。19世紀、20世紀の環太平洋地域の音楽文化の変遷について研究中。2001年に第27回放送文化基金賞番組部門個別分野「音響効果賞」、2005年に第35回日本童謡賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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