内容説明
本書は、世界有数のレコード大国である日本のクラシック・レコードの受容の歴史を、その時代を生きた人々の証言でたどったドキュメンタリーである。明治・大正期から戦争末期までの洋楽SPレコードの歴史を、当時を彷彿とさせる豊富な資料、図版、発売レコード・リストを交えて綴った。そして、トスカニーニ、フルトヴェングラー、ワルター、カザルス、コルトーなど往年の巨匠たちと若き日のカラヤンらの足跡を、時代の雰囲気豊かに生き生きと伝えている。
目次
第1章 クラシック音楽の黎明期
第2章 洋楽レコードの国産化―クラシック音楽の大衆化
第3章 昭和初期に国内発売された主な洋楽レコード
第4章 レコード人気質とレコード雑誌
第5章 国産洋楽レコードの成長期、または黄金時代前期
第6章 昭和ひと桁後半に国内発売された主なレコード
第7章 戦前の日本における洋楽吹き込みと蓄音機
第8章 戦時統制下における日本洋楽レコードの黄金時代
第9章 昭和十年代前半に国内発売された主なレコード
第10章 レコードをめぐる人たち―レコード会社、レコード店とレコード・ファン気質、音楽喫茶
第11章 戦時統制下の受難時代に耐えた日本の洋楽レコード界
第12章 昭和十六年から昭和十八年に国内発売された主なレコード