内容説明
本業の作曲、NHK‐TV『N響アワー』での名解説、新聞・雑誌での執筆等、多彩な活動を展開する池辺晋一郎によるバッハ讃。本書は月刊誌『音楽の友』の連載をまとめたもので、純粋に楽譜の面からバッハをわかりやすく、しかも楽しく解説したもの。作曲家ならではの鋭い分析が随所に展開され、バッハのすごさと素晴らしさが強い説得力をもって熱く語られる。バッハをもう一度じっくり聴き直してみたくなること請け合い。
目次
バッハの譜面は本当にすごいのだ
「G線上のアリア」はジャンルを超える!
旋律のユニークな作り方―ブランデンブルク協奏曲
史上最大の大作?―ゴルトベルク変奏曲
「シャコンヌ」をフルコースで―無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番第5曲シャコンヌ
毅然、決然の協奏曲―ヴァイオリン協奏曲
「トッカータとフーガ二短調」のディーテイル
「トッカータとフーガ二短調」のすごさ
モチーフの集積・インヴェンション
ゲームの捧げ物―音楽の捧げ物〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
バッハは大好きで、全集を持っていて再度聞き始めたのですが中断しています。ブランデンブルク協奏曲、ゴルトベルク変奏曲、シャコンヌなどを楽譜などを基にして説明してくれています。ときたま軽い話なども入れています。私は比較的譜面を見るのが好きで平均律などもよく見ています。数学的な均整がとれた感じがします。「音楽の友」に二年にわたり連載されていたもののようですね。2016/02/14
きりこ
48
「音楽の友」に連載された24回分のバッハについての考察をまとめたもの。バッハの譜面を例に上げ、究極の作曲技法、旋律のユニークな作り方、モチーフの集積、非和声音と調整の魅力、分散和音のレシピなどを解説。つまり一言で言えば、「バッハは凄いのだ」ということが全体から伝わってきます。専門的なことは難しいけれど、池辺晋一郎さんの文章がユーモラスで楽譜も丁寧に易しく解説してくれるので、何とか理解できる所も多く面白い本でした。楽譜からロマンチストで優しかったというバッハの人となりもわかるのですね。また読んでみたいです。2014/12/26
うな坊
4
おもしろーい。だじゃれにも満足。バッハのバイオリン協奏曲をtuttiで弾いたことがあるが、「なるほどー」と納得。さわりだけでなく、名曲の隅から隅までを通してやってもらいたい。次は、『モーツァルトの音符たち』を読もう。2012/05/31
朔依
4
バッハ凄い!どの曲も聴きながら確認したくなる。子供の頃から聴いてきた『トッカータとフーガニ短調』や『主よ、人の望みの喜びよ』のどこが凄いか、他と違うのか認識2011/05/22