「音楽的」なピアノ演奏のヒント―豊かなファンタジーとイメージ作り

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  • サイズ A5判/ページ数 237p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784276143432
  • NDC分類 763.2
  • Cコード C1073

出版社内容情報

音楽的な演奏とは何か、そのためのファンタジーとイメージ作りを学ぶ本。とかく苦手になりがちな「音楽表現を豊かにする」方法。

タイトルの通り、音楽的な演奏とは何か、そして音楽的な演奏をするためにはファンタジーとイメージ作りが大切、その作り方を学ぶ本。よく、音楽家は技術だけでなく芸術的知識やセンスも必要と言われるが、たしかに人を感動させる音楽を演奏するには、技術のほかに豊かな表現力が必要。では、その表現力を付けるには、具体的に何をすればいいか、ここで悩んでしまう人は多い。音楽史の把握、作曲家の理解、作品研究、音色とタッチ、音型・音程・調性の意味、複数のエディションにあたることetc。本書は基本はバッハとし、バッハからベートーヴェン、ショパン、シューマン、ブラームスらの豊富な譜例を基に、曲の解釈や自分のファンタジーとイメージを膨らませる方法を手引きする。日本人ピアニストに言われがちな、指は回るが面白みに欠ける演奏という評を克服。苦手な「音楽表現を豊かにする」方法を、この1冊で。

序:音楽的な演奏のために 
第1章:まずバッハから 
1.バッハの技の秘密 2.インヴェンションの仕掛け 3.恐るべき可能性を秘めた「インヴェンツィオ」 4.作品に秘められた「声」 5.音楽の「コトバ」 
第2章:「愛の6度」を知っていますか
1.音楽の約束事 2.シューマンに見る「愛の6度」 3.クララを飾る愛の音型 4.「愛の6度」あるいは花開く反行形 5.「嘆き」の音型を読む 
第3章:ショパンとリストのファンタジー 
1.ショパンに刻まれた祖国の運命 2.語り尽くせぬショパンの悲劇 3.演奏者の解釈と聴き手の需要 4.現代へ先駆けたリスト 
第4章:ショパンとブラームスのバラード 
1.音楽と文学の関わり 2.リトアニアの悲劇 3.水の精の物語 4.ポーランド愛国の詩 5.バラードに聴くブラームスの精神生活 6.ブラームス晩年の作品 
第5章:ファンタジ―の翼を広げて
1.絵画の描写と音楽の描写 2.ドビュッシーの音楽と絵画 3.音楽の原点はやはりバッハ 4.音楽の性格を決める要素

【著者紹介】
1933年鹿児島生まれ。音楽社会学専攻。早稲田大学大学院博士課程修了、ウィーン大学、ウィーン国立音大留学。鹿児島短期大学教授、東邦音楽大学教授・理事、九州大学客員教授等を歴任。現在ウィーン・メロス音楽研究所代表。霧島音楽祭創設。オペラ普及活動により第1回音楽之友社賞共同受賞。「音楽の友」「音楽芸術」「ムジカノーヴァ」「ショパン」等の雑誌、新聞、CD解説などに多数執筆。

内容説明

「感動」を、忘れていませんか?日本人の演奏は指が回るが面白みに欠ける、こんな評はもう返上!感動を生みだすために、演奏家には表現能力が求められているのです。たとえば曲のなかの、音型、リズム、テンポ、調性の意味を見つける…。ちょっとしたキッカケで、苦手な表現力も身につきます。

目次

序章 「音楽的」な演奏のために
第1章 まずバッハから
第2章 「愛の6度」を知っていますか
第3章 ショパンとリストのファンタジー
第4章 ショパンとブラームスのバラード
第5章 ファンタジーの翼を広げて

著者等紹介

野村三郎[ノムラサブロウ]
早稲田大学大学院博士課程修了、ウィーン大学、ウィーン国立音楽大学に留学。鹿児島短期大学、東邦音楽大学教授・理事、九州大学客員教授など歴任。霧島国際音楽祭創設。第1回音楽之友社賞共同受賞。現在ウィーン・メロス音楽研究所代表、早稲田大学エクステンションセンター講師。ウィーン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

二条ママ

6
図書館本。ピアノが全く弾けない私には難しい本だった。でも、YouTubeで書かれた曲を聴きながら、本を読んだら、本当その通りだ!なるほど!と楽しめた。娘はまだ入門程度で、ほとんど短い曲だけど、所々に自作のストーリーを付けて弾く時があるそうだ。この本を読んだら、曲そのものが物語を持ってるじゃないか。音楽は言葉ではない、言葉を勝るところはあるのだ。この本の書いた通り、言葉ではないから、ファンタジーなのだ。手元に置いておきたい一冊。2021/11/28

織川 希

3
★★★☆☆ ピアノの表現を深い方へと誘う本。本書はピアノ曲の物語性に着目して、曲の構成について説明してくれる。私自身、ピアノは1番の趣味だが、音大等で専門的に勉強した経験はない。そのような経験値の私では、本書の内容をしっかりと理解するのはかなり難しかった。ただ、これまで自分が弾いてきた経験から、感覚的に掴んでいた内容が、書籍に明文化されていることが確認でき、自分の音楽的感覚に誤りはなさそうだと分かったことは素直に嬉しい。この本をきっかけに、もう少し平易な本を読み、まずは基礎知識の向上に努めたい。2021/11/28

まっちゃん2

3
私はピアノがほとんど弾けない。しかし楽器はいろいろやるので楽譜はある程度読める。家内はピアニストの端くれである。ピアノ演奏家のみならず一般的な演奏家が曲を勉強するための大いなる指針になる本です。もちろん本書はあまたの楽曲のインデックスにしかすぎません。ともかくショパンはポーランド人でポーランドの歴史文化をよくよく勉強しないといけないようです。2019/03/20

ハッチ

3
よく演奏される曲をピックアップして、作曲の背景、イメージ、ポイントが書かれているので、曲に親しみが持てる。 まずはその曲と向き合うことが大切。2016/06/28

うわばき

1
私の場合はまず、基本的な技術習得をしないとお話になりません(^_^;)

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