内容説明
本書は、専門・非専門を問わずコンピュータにかかわる方を主な対象に想定した線形代数の参考書です。単に「線形代数プログラムの書き方」を解説する本ではなく、数学のプロでない読者に線形代数の本音を語ることが狙いです。
目次
第0章 動機
第1章 ベクトル・行列・行列式―「空間」で発想しよう
第2章 ランク・逆行列・一次方程式―結果から原因を求める
第3章 コンピュータでの計算(1)―LU分解で行こう
第4章 固有値・対角化・Jordan標準形―暴走の危険があるかを判断
第5章 コンピュータでの計算(2)―固有値算法
付録(ギリシャ文字;複素数;基底に関する補足;微分方程式の解法;内積と対称行列・直交行列;アニメーションプログラムの使い方)
著者等紹介
平岡和幸[ヒラオカカズユキ]
1992年東京大学工学部計数工学科卒業。1998年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。1999年より埼玉大学工学部情報システム工学科に所属。現在に至る
堀玄[ホリゲン]
1991年東京大学工学部計数工学科卒業。1996年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。1998年より理化学研究所脳科学総合研究センターに所属。現在に至る
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うめ
27
これからの時代数学はますます重要になると思う。仕事に直接関わりはしないけど、読むとものごとの見え方は確実に変わるのと、何より楽しい。楽しいだけで私自身の読み込みが足りているとは言えないが、良書なので紹介ぽちり。2019/05/07
オザマチ
12
行列式や固有値に対する見方が変わります。線形システムの解析にも踏み込んでいるので、現代制御で苦しんでいる人にもオススメ。…とはいえ、ジョルダン標準系はさすがにもういいやと思って読み飛ばしていました。2013/10/03
ところてん
5
線形代数とその数値計算についての本です。数式だけじゃなく文章でも説明されているのでわかりやすいです。線形代数がいまいちピンとこなかった方にピッタリです。2013/06/02
yyhhyy
4
全てを網羅しているわけではないけれど回転のイメージがとても助けになる。2冊めに捕捉として読むのが良い感じ。2015/11/22
ftoku
3
前半は線形代数が写像であることのイメージをつかむのに最適な内容になっていて勉強になった。後半は流し読みしだったけれど、コンピュータによる計算向きの行列の分解法など、よくこんな性質を見つけるものだなぁと思いながら読んだ。2018/12/22