内容説明
1903年、夫ピエールとともにノーベル賞受賞。38歳で夫と死別後巻き起こったスキャンダル報道とバッシング。世界初二度目のノーベル賞受賞。新資料をもとに、アインシュタインやラザフォードなどの科学者との交流、歴史的背景にもふれながら、その生涯と業績をわかりやすく伝える新しい評伝。
目次
第1章 将来の勉学にむけて
第2章 英雄時代
第3章 至福のとき
第4章 有名になるということ
第5章 残酷な栄誉
第6章 重い病
第7章 野戦病院をかけめぐった日々
第8章 ふさわしい研究所
著者等紹介
ギンガリッチ,オーウェン[ギンガリッチ,オーウェン][Gingerich,Owen]
ハーヴァード大学教授(天文学・科学史)。スミソニアン天文物理観測所上級名誉天文学者。2006年夏のIAU(国際天文学連合)惑星定義委員会では議長を務めた
パサコフ,ナオミ[パサコフ,ナオミ][Pasachoff,Naomi]
ウィリアム・カレッジ研究教授。ハーヴァード大学にて学士号、コロンビア大学にて修士号、ブランダイス大学にて博士号取得。専門は、評伝・科学史・欧米史
西田美緒子[ニシダミオコ]
翻訳家。津田塾大学英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いくら丼
6
科学史教授が書き、別の科学史教授が編集代表を務める。娘本人の許可を得て、本人や娘の伝記も引用する。脚色をできる限り廃した伝記で、読みやすく面白い。幼い頃から優秀でありながら、ワルシャワ時代のロシアからの圧力は基より、ノーベル賞に繋がる放射性元素の研究は学校の廊下で始まる、雨風を凌ぐにも心もとないじめじめした物置小屋で成し遂げられる、それでも功績に相応しい立場や研究室は与えられず、マスコミに好き勝手に騒がれ心を病むこともあるーー。凄まじい生涯の中で、勉学・研究に命を燃やし続けた姿は、非常に豊かな刺激になる。2022/12/11
あおき
4
自分の中にあるポーランドに対するイメージは、キュリー夫人の伝記からきてます。ロシアの圧制下にあって、忙しい労働の合間をぬって秘密裏に私学をひらき、子どもたちにポーランド語を教える愛国心の強さ。いかに貧しくとも消えることのない勉強に対する情熱。親族間の強い結束。まさにポーランドの誇る偉人です。2020/09/10
ゆい
1
とにかく実験が大好きだった女性。 そんな彼女の幸運は同じくらい実験の大好きなご主人に出会えたことだと思う。 自分の体を犠牲にしてまで科学の発展に貢献したマリー。 変わってる人かなあ、と思ったけど好きなものと勉学への情熱にただただ感心2017/08/22
sumomo
1
今抱えている放射能の問題を少しでも理解したくて読んでみました。キュリーってすごい人なんだと改めて実感しました。研究と実験にすべてをささげた人生。娘さんまでノーベル賞をもらっていたことにはびっくりしました。とにかくすごい一族でした。2012/03/28