ブランドなんか、いらない (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 435,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784272330614
  • NDC分類 335
  • Cコード C0036

内容説明

モノづくりから遊離した「ブランド」の魔力は、いかにして地域経済と文化を破壊し、公共空間を浸食したのか。地球上を自由に移動する多国籍資本は、なぜ途上国と先進国の双方において雇用破壊と貧困を広げるのか。私たちの労働、文化、そして民主主義を蝕むニューエコノミーの弊害と、それに対抗する国際的な抵抗運動のうねりを活写し「反グローバリズム運動のマニフェスト」と評された世界的ベストセラー、待望の復刊。2007年アメリカ社会学協会での講演「『もうひとつの世界』の実現をめざして」を新たに収録。

目次

奪われた公共空間(新しいブランド世界―ブランドの誕生、死、そして復活;ブランドの拡大戦略―ロゴはいかにして中央舞台に立ったか ほか)
奪われた選択肢(増殖するスーパーブランド―新・フランチャイズ爆弾;合併とシナジー―エリートたちのユートピア ほか)
奪われた仕事(見捨てられた工場―製造なんて、くだらない;先進国の労働者いじめ―タダ働きから「フリーエージェント」まで ほか)
そして反撃は始まった(カルチャー・ジャム―攻撃された広告看板;リクレイム・ザ・ストリート―自由空間を取り戻そう ほか)
補論 「もうひとつの世界」の実現をめざして

著者等紹介

クライン,ナオミ[クライン,ナオミ][Klein,Naomi]
1970年モントリオール生まれ。ジャーナリストとしてカナダおよび米国のさまざまな媒体に執筆

松島聖子[マツシマセイコ]
1965年生まれ。1988年明治大学文学部文学科卒。編集者、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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katoyann

23
ブランド企業が自社製品を大量生産するために人件費の安い海外に工場を移転し、現地の労働者を不当に搾取しているという実態を明らかにしたルポルタージュ。反グローバリズムの教科書とされる同書では、ナイキやアディダスのような靴やスポーツウェアのブランド企業からウォルマートのようなスーパーマーケットに至るまで、自社の製品を安く作るために違法な労働条件を海外の工場労働者に飲ませるという実態が指摘されている。例えば、ディズニーのパジャマはホンジュラスの児童労働で出来ている。安いファッションと搾取の構造的関係を暴いた傑作。2023/01/21

Yoshitomo Kurokawa

6
モノよりブランド、というのは、少なからずショック。でも当たっていると思った。2013/05/11

ミリオン座

3
品質・性能・サービスが均一化された中、企業はブランドイメージで商品価値を高め顧客を獲得します。その背景には低賃金で働く・・・云々。きっとそんな仕組みなんだろうなって想像していたことを、丹念な取材を積み重ね丁寧にまとめていました。新書版程度の分厚さしか読まない私にとっては重すぎるページ数でした。2013/07/06

ドクターK(仮)

2
本書が執筆されたのは15年ほど前だが、企業の力が国家を凌駕するグローバル時代の問題点を鋭く指摘している。企業、そしてその象徴たるブランドが、いかに公共空間や人々の消費、労働の選択肢を奪ってきたかを、膨大な取材によって明らかにしている。ところで、本書にあるように世界中で反グローバルの運動が起きているのに、(そうした運動が本当に素晴らしいものなのかは別にしても)日本ではそのような動きがあまりにも少なくないだろうか。グローバル化の問題に限らず、日本人は社会経済に対する問題意識が足りない気がする。2014/07/27

八朔

2
私たちがマクドナルドで買うものはなんだろうか?ハンバーガー?それともポテトやシェイク?違う。私たちが買っているのは”マクドナルド”という”ブランド”である。企業はブランド築きあげるためにマーケティングを駆使し、社会運動すらも飲み込んでいく。マーケティングの費用や経営者の報酬は際限なく増えていき、街にはところ構わず広告が溢れる。一方で先進国では正規雇用が削られ、途上国には搾取工場が生まれる。輝かしいブランドの影には絶えず貧困がついてまわっている。2011/06/14

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